住友ゴム「エナセーブ SP688」の公開燃費テスト実施

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カテゴリー: レポート, 現地

公開テストで「燃費13%向上」を実証

 住友ゴム工業は3月7日、TB用タイヤの新商品「エナセーブ SP688」の燃費性能を比較するため東北自動車道を利用した燃費テストを実施した。テスト結果からは旧商品(SP670)と比較して平均13%の燃費向上が実証された。円安と原油高により燃料価格が上昇し、厳しい競争環境に置かれている運送業界にとってコスト削減に寄与することが期待される。

エナセーブSP688
エナセーブSP688装着車両

 「エナセーブ SP688」は、同社が乗用車用タイヤおよびバン・小型トラック用タイヤで展開している「エナセーブ」ブランドをトラック・バス用タイヤに拡大するもの。エナセーブを冠した理由は「我々が求める高いレベルの製品がついに完成したため。今後、低燃費系の新商品については順次、エナセーブに切り替えていく予定」(山本悟執行役員)。

 今回の燃費テストでは、2台の車両(総重量24トン930kgを用意し、それぞれ「エナセーブ SP688」と「SP670」を装着。タイヤサイズは275/80R22.5、空気圧は900kpa。

 コースは東北自動車道の阿武隈PA~須賀川IC間の片道17kmを時速80kmで2往復し、2km区間ごとに燃料消費量、時間、速度を測定した。また車両間の影響をなくすため、1回目と2回目では走行順と装着タイヤを入れ替えている。

 結果は「SP670」の平均燃費が約3.5km/Lだったのに対し、「エナセーブ SP688」は約4km/L。新商品の燃費が旧商品を13%上回った。

エナセーブSP688
東北自動車道の阿武隈PA~須賀川IC間を走行した

 この日、最も顕著な差が表れたのは2回目の往路で、25%もの燃費差が確認された。この点について同社では、「往路は下り坂があったことと、2回目のテストでは追走する側の新商品装着車は転がり抵抗が少ないため、追いついてしまわないようにアクセルをオフにする場面が多かった」点を理由として挙げた。

 なお定常走行ではなく、一般的な使用の場合、「転がり抵抗が燃費に与える影響は2割といわれているので7%前後の燃費差になるのではないか」としている。

 今回のテストに協力した丸永運送株式会社(福島県)のドライバーに「エナセーブ SP688」の感想を聞いたところ、「低燃費タイヤだが、乗り心地やハンドリングに影響はない。タイヤがスーッと転がっていくような感覚があり、運転していて転がり抵抗の違いが感じられた」と話していた。

低燃費性能と耐摩耗性能を両立

 燃費テストに先立ち、「エナセーブ SP688」の商品説明会が行われ、住友ゴム工業から西実取締役常務執行役員と、山本悟執行役員らが出席した。

西氏と山本氏
西実取締役常務執行役員(左)と山本悟執行役員

 西氏は新商品の開発背景について「運送業界を取り巻く環境は厳しく、経費削減のためにタイヤには低燃費性能と耐摩耗性能の向上を求める声が高まっている。この2つの性能を両立させたのがエナセーブ SP688である。環境意識が高く、運行経費削減に取り組んでいるお客様がターゲットとなる」と述べた。

 技術面での大きな特徴は、パターンで転がり抵抗を低減したことだ。エネルギーロスとなる変形を抑えるため、ランド比を増やし、ブロック間を繋ぐことで剛性をアップさせた。ブロックにはエネルギーロスがより小さくなる形状を採用。この結果、転がり抵抗は従来品「SP668」比で15%、汎用オールシーズンタイヤ「SP670」との比較では34%低減した。

 一方、ライフ性能は新しいカーボンを採用した新トレッド配合がキーとなる。従来はカーボンを増量することで性能を向上していたが、カーボン同士の擦れも多くなり、その結果エネルギーロスが発生してしまう弱点があった。

 そうした課題を克服すべく、同社の材料開発技術「4D NANO DESIGN」で設計した新カーボンは、エネルギーロスの発生を抑え、ポリマーをしっかりと繋ぎとめることで、転がり抵抗の低減との両立を実現した。この新配合によってライフは従来品比20%向上している。

 山本氏は新商品のマーケティング戦略についてプレゼンテーションを行い、新たに「エコスマートプラン」を提案していくことを発表した。

 その目的は、環境貢献、安全管理、経費削減――この3つの要素をカバーすべく、商品の提案からタイヤ管理、メンテナンスまでトータルでサポートし、ユーザーのビジネスをバックアップすること。

 具体的には、最適なタイヤを提案する「ベストタイヤセレクト」と、ユーザーの運行をサポートする「セーフティアシスト」といった2つのプログラムで構成される。

 ベストタイヤセレクトの特徴は、タブレット端末・iPadを活用して顧客と面談をしながら「最適な商品を瞬時に提案できる点」。コスト削減額や二酸化炭素削減量を提示することも可能となる。

 もう一方のセーフティアシストでは、ユーザー自身がタイヤ点検やデータ管理を効率よく行えるようサポートする「メンテナンスサポート」を推進する。同時に、全国のネットワークサービス(DFNet)をさらに拡大し、より安心できるサービスを提供していく計画だ。

 山本氏は「今回の新商品により、エナセーブのラインアップはさらに充実した。それにエコスマートプランを加え、お客様のエコと安全運行に貢献していく」と自信を示した。


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