操安性、静粛性が向上した東洋ゴムの新スタンダード「NANOENERGY 3」試乗レポート

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カテゴリー: レポート, 試乗

NANOENERGY 3

操安性、静粛性が向上した新スタンダードタイヤ

 東洋ゴム工業の新商品「NANOENERGY 3」。ラベリング制度に基づく等級が「A-c」と、低燃費タイヤ市場におけるボリュームゾーンに投入された、同社待望の新商品である。10月31日に千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催された試走会で新商品「NANOENERGY 3」と、最上級モデル「NANOENERGY 0」(AAA-a)を試乗し、その性能を体感した。

 「NANOENERGY」シリーズは、今年2月に「NANOENERGY 1」(AAA-b)、6月に「NANOENERGY 2」(AAA-c)、7月には「NANOENERGY 0」(AAA-a)と立て続けに発売され、一気にシリーズ化された新ブランド。さらに12月から「NANOENERGY 3」(A-c)が投入され、フルラインアップが出揃う。まさしくトーヨータイヤの低燃費タイヤを代表する新機軸である。

 今回は、新商品の試走を中心に、ラベリング制度のグレーディングによる性能の違いを体感した。

NANOENERGY 3 同社のテストによると、「NANOENERGY 3」の転がり抵抗は「テオ・プラス」対比で19%、「エコウォーカー」対比で2%低減している。さらにドライ制動が「エコウォーカー」対比で5%、ウェット制動も同3%向上。このほか摩耗性能がテオ・プラス対比6%の向上を実現した。

 このテスト結果から見るだけでも、「NANOENERGY 3」のタイヤ性能が、相当レベルアップしていることがわかる。

 さて、NANOENERGY 3の試走では同社タイヤ技術本部の奈須祐二氏のドライビングに同乗した。まず、周長2.5kmの外周路を走行し、ドライ路面での操縦安定性を試す。車両は「マツダ・アクセラ」のセダンタイプ、タイヤはNANOENERGY 3とエコウォーカー、いずれも195/65R15。それぞれの装着車両で比較走行した。

 時速80km/hで高速レーンチェンジを何度か繰り返す。そのたびに大きなGがかかり車両が傾くが、そこからの収まり具合では、明らかに2つのタイヤに差があることを実感できる。エコウォーカーは粘りはあるが、大きくロールしてゆっくり戻る感触。これに対し、NANOENERGY 3は減衰してピタッと収まる印象だ。

 奈須氏の説明では、「トレッドのコンパウンド配合により、グリップ性能が大きく向上したことも寄与している」とのこと。転がり抵抗が低減されながら、背反性能であるグリップ性能が増した、そこに第一の進化があるのだろう。

 次に、一般道と高速道の走行により、総合性能の評価を行った。一般道ではタイヤの限界性能を確かめるわけにはいかないが、路面が逐一変わるため、タイヤの味付けを体感できる。

 そこでまず感じたのは、路面の突き上げからの収まりの良さ。NANOENERGY 3は外乱に対する包容力があってストレスを低減してくれる。エコウォーカーでは突き上げの振幅が少し残る感じだが、NANOENERGY 3はタイヤがたわんでから戻りのフィーリングが早く、バウンドも抑えられている。おまけに高速走行時の操縦安定性や静粛性の高さも実感することができた。

 奈須氏は「トレッドの接地幅を増したことと、構造の高剛性化で、しっかりと踏ん張る感じが出ている」と付け加えた。

NANOENERGY 3 次は内周路。散水したWET路面でNANOENERGY 0のウェットグリップ性能、ハンドリングを体感した。

 試乗したタイヤはNANOENERGY 0(ウェットグリップ性能a)とエコウォーカー(同c)。車両は「トヨタ・プリウス」でタイヤサイズは195/65R15。

 散水した路上を時速80km/hで走行し、コーナーをインベタでトレースする。NANOENERGY 0はラインから外れずに走行可能だったのに対し、エコウォーカーは外側にタイヤ3本分くらい振られる結果となった。NANOENERGY 0のグリップ力には、緊急時のハンドリングや急制動に対する〈確かな安心感〉が感じられた。

 NANOENERGY 3は、何より総合性能が進化したという実感がある。低燃費タイヤとしての付加価値に加え、耐久性も向上し、長く使える新しいスタンダードに仕上がっているといえそうだ。

 “AAA”の「NANOENERGY 2」と“A”の「エコウォーカー」で、転がり抵抗の性能差を見た。車両は「トヨタ・プリウス」。傾斜をつけたキャリアカーからエンジンを切り、ニュートラル状態で惰性走行させ、走行距離を比較する。転がり性能の高い方が、より遠くまで走れるというわけ。2度の実験を行った結果、エコウォーカーの44.9mに対し、NANOENERGY 2は67.5mとなり、約1.5倍の差が出た。

 この結果について、開発担当の川上和紀氏は「トレッドコンパウンドの配合でアクティブポリマーを増量したこととパターン構成により、タイヤの歪みが抑制され転がり抵抗が低減した。これにより性能が発揮できた」と説明している。


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