タイヤワールド館ベスト盛岡店 多店舗展開への試金石

シェア:
カテゴリー: ディーラー, レポート

 盛岡市上堂の国道4号バイパス沿いに、昨年10月19日にオープンしたばかりのまだ真新しいタイヤショップ「タイヤワールド館ベスト 盛岡店」がある。スタッドレス履き替え需要期を目前に、開店一周年記念イベントを展開中だ。

宮崎商店の佐々木副社長
宮崎商店の佐々木副社長

 店の運営母体は有限会社宮崎商店(盛岡市、宮崎良子社長)。1937創業の老舗である。業容は石油類・プロパンガス・オートガスの販売をコアビジネスとするエネルギー事業をはじめ、酒類・食料品・雑貨の販売、遊技場、健康入浴施設、家電製品の販売、住宅機器・設備工事、太陽光発電システムの販売まで実に多岐にわたる。

 1984年に開設した盛岡上堂給油所(ENEOS)の隣接地に新設したのが「タイヤワールド館ベスト」。宮城県仙台市の株式会社

ヤマウチグループである株式会社タイヤワールド館ベストのフランチャイズ店として、同社第1号店が昨年秋にスタートしたものだ。

 同じ敷地内の給油所もそれを機にフルメンテナンスからセルフに切り替え、再整備した。国道を走る車から見ると、手前に「ENEOS」、その先すぐ隣に朱色の看板に黄色で書かれた「BEST(ベスト)」の文字が目に入る。SSとタイヤショップがそれぞれ独立していながら一つの動線でつながっている、一つのモデルとなりそうな店構えが特徴的だ。

 「盛岡上堂セルフSS」の敷地面積は約2951平方メートル、「タイヤワールド館ベスト 盛岡店」は1127平方メートル、両方合わせると約4000平方メートルとなる。「ベスト」の店舗延べ床面積は638平方メートル。タイヤワールド館ベスト 仙台本店を模したデザインが印象的。「ベスト」の店に見覚えのある人なら、ここがすぐにそれだとわかるだろう。

 宮崎商店の佐々木太介取締役副社長は「タイヤワールド館ベストの名前は岩手県内にも広がっている。この店ができたときにも〈盛岡にベストができたんだね〉と言って来店してくださるお客様も少なくなかった」と話す。

池田直人店長
池田直人店長

 岩手県内でガソリン・軽油の給油やタクシーのオートガスで名高い同社が、タイヤ商売に乗り出したのには理由がある。「SS商売、昔ながらの油だけ売るのでは若い人が夢を持ってやっていけない時代。やはり油外品も売れるような商売に変えていかなければいけない。そういう発想は以前からあった」という。

 事実、もともと1日数百台から1000台くらい入ってくる集客力の高いスタンドでありながら、タイヤがよく売れる店としても知られていた。そのためタイヤを扱うノウハウは従業員に浸透している。そこは強みだ。

 だからタイヤショップを手がけたのも「決して冒険ではない。言ってみればタイヤを中心とした油外品を集めて店にしたようなもの。自分たちの強みを生かして広がりのある商売を目指してのこと」というのも納得だ。ただ、そこで付けた看板はタイヤワールド館ベスト。その本格的なFC店として岩手県内外から注目を集めている。設定したハードルも低くない。しかし、それだけにやり甲斐もある。「車が変わってもタイヤは無くならない。従業員スタッフのみんなと一緒に夢を持ってやっていきたい」と期待を膨らませる。

 池田直人店長も「これまで以上に集客できるように努め、お客様に合ったタイヤをお勧めしていきたい」と意欲を示す。

 店舗で取り扱うブランドは、スタンドだけのときには国内2ブランド(ブリヂストン、ダンロップ)だけだったが、いまでは当然多ブランドを扱う。ブリヂストン、ダンロップ、トーヨー、ミシュラン、ピレリ、クムホ、ハンコック、ルッチーニといった具合。拾えるニーズの幅がグッと広がった。またタイヤと併せ数多くのホイールが並ぶ。来年以降、春需に向けて高級ホイールの販売にも注力していきたい考えだ。

ピット
ピット

 ピットは2レーン、それぞれ埋め込み型のリフトを設置している。整理・整頓が行き届いた清潔感のある施設が好印象。それとは別に洗車とコーティングを行うコーティングルームが1レーンある。隣のスタンドで受注したコーティング作業もここで行う。

 タイヤワールド館ベストのノウハウを活かしたサービスが「タイヤストックプラス」。宮崎商店独自の表現を用いた。これはタイヤ預かり保管・点検のサービスのこと。タイヤ保管+次回の交換作業をセットにしたもので、タイヤサイズ別にリーズナブルな料金設定としている。しかも完全予約制で待ち時間なし、作業時間は30分以内というのが売りだ。

 開店に合わせ近隣の岩手町に車両1500~1600台分のタイヤが入る保管倉庫を確保した。土地は1500~1600坪と広く、同規模の倉庫をあと3つ増やせる余裕がある。納入先の代わりに預かる二次預かりも十分可能な規模。降雪地ならではのタイヤ交換にまつわるニーズを確実に取り込む態勢を整えた。

 盛岡市と北上市、その間の花巻市を含め約50万人の商圏がある。そこにあるタイヤ需要をどれだけ取り込めるか、宮崎商店の2年目の挑戦が始まった。

 「いまは目前のことで精一杯だが、頑張れば、将来、FC店を増やせると思っている。ここを皮切りに、自分たちで夢を追求していきたい」(佐々木副社長)――その言葉の通り、すでに多店舗展開を視野に入れており、上堂の第1号店はその試金石となる。


[PR]

[PR]

【関連記事】