日本ミシュランタイヤ「X One」で差別化へ

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カテゴリー: レポート, 現地
X One
ミシュランの「X One」

 日本ミシュランタイヤがトラック・バス用ワイドシングルタイヤ「X One」の取り組みを強化している。2014年の納入本数は前年比約1.8倍に拡大する見込みで、本格的な普及に向けて来年以降、ユーザーへのアプローチを加速する。

 「X One」はトラックの後輪に装着されている2本(ダブル)を1本(シングル)にすることで軽量化を図り、積載量アップや低燃費を実現するもの。国内市場では2007年に導入して以来、輸送事業者の間でそのメリットが徐々に浸透してきた。

 12月4日には、群馬県で産業廃棄物の収集・運搬を行う運送会社、株式会社貴(たか)が新たに導入した「X One」装着車両の納入報告会を開催。同社の野本秀夫社長は、「燃料費高騰や輸送効率化に対応すべく、様々な施策を実施してきた。その中でもX Oneの採用は大きな効果があり、最大11%の燃費削減を達成し、エコタイヤ以上の効果があった」と話している。

 日本ミシュランタイヤでは、「X One」をトラック・バス用タイヤソリューションのいわば“最終形”と位置づけ、他社との差別化に取り組んでいる。同社の高橋敬明執行役員は「燃費を良くして、積載量も確保したいというニーズにはX One、というのが我々の目指したい姿」と力を込める。

 元々、後輪二軸の単車がポピュラーな日本市場ではシングル化のメリットを受けやすく、「とくに自社のビジネスの特徴と改善ポイントを熟知しているオーナー経営者の間でシェアが高まっている」(高橋執行役員)という。

 今後の課題はOE装着の推進とリトレッドへの対応だ。これについて一部の国内新車メーカーでは確認テストを終え、「要望があればディーラーで装着することは可能」との回答を得ている。リトレッドはすでに要望が出てきており、実現に向けた計画を進めている段階だ。

「1年で投資を回収できる」

3人
(右から)貴の野本社長、車両を製造した東邦車両北関東支店の生富一郎支店長、日本ミシュランタイヤの高橋執行役員

 昨今の輸送業界では、安全装備の増加により車両重量が増加傾向にあり、積載量の減少や燃費効率の低下が問題となっている。こうした課題を解決する切り札として期待されているのが「X One」だ。

 株式会社貴では以前から複数のトラック・トレーラーで「X One」の採用を進めており、ある車両では従来のダブルタイヤと比較して約300kgもの軽量化を達成した。

 野本社長は「この冬で当社のフルトレーラーは全てX Oneにした。初期費用はダブルより高くなるが、燃費削減効果やライフの向上などにより、1年以内に投資を回収することが可能になる」と説明する。

 それ以外にもシングル化によってメンテナンス時間の半減など様々なメリットが表れてきている。同社のドライバーからは操縦性の良さや身体への負担軽減が報告されており、「X One」装着車を運転した全員が、「ダブルタイヤにはもう戻れない」と口を揃えるほどだ。

 タイヤメーカー、運送会社の双方にとって、ライバルと差別化を図るための大きな武器となりうる「X One」。日本ミシュランタイヤの高橋執行役員は、「我々はお客様の力で販売に結びつけている部分があるので、今後もそのアプローチを継続する。その上で2015年はセールス担当者各々が必ず1社を開拓するよう発破をかけていく」と述べ、さらなる需要を取り込んでいく姿勢を示した。


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