YOKOHAMAの北米販売最前線 2020年に南部エリアでのタイヤ販売2倍へ

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カテゴリー: レポート, 現地

南部エリアでのTBタイヤ販売本数 2020年に2倍へ

街中で見かける商用車の多くは大型トレーラー。リトレッドして使い続けるユーザーも多く、更生比率は90%を超える。新品タイヤでとくに求められるのはライフ性能とケーシング性能。
街中を走る商用車の多くは大型トレーラー

 横浜ゴムは北米市場での供給体制強化にともない、トラック・バス用タイヤの販売量を2020年をめどに現在の約1.6倍の200万本まで引き上げる方針を打ち出した。市販用ではヨコハマブランドのタイヤは大手タイヤディーラーの取り扱い件数はトップ。すでに西部や南部を中心に全米で8割以上のディーラーで販売を行っているが、品質面と耐久性に優れた台タイヤとしてのリトレッド性能の高さを強く訴求することで拡販を図る。

 北米におけるトラック・バス用タイヤの市場シェアはミシュラン、ブリヂストン、グッドイヤーの3社で約6割を占め、「ビッグ3とその他グループ」という構図になっている。

 ただ、米・タイヤ専門誌「モダンタイヤディーラー」の調査では、売れ筋のミディアム・ヘビートラック用タイヤ(市販用)に限定すると、横浜ゴムは4位で上位との差は縮小している。

サザンタイヤマートのタイヤ倉庫
サザンタイヤマートのタイヤ倉庫

 現地生産販売会社であるヨコハマタイヤコーポレーションの商用車用タイヤ部門で、ミシシッピ州をはじめ南部9つの州で約40社のタイヤディーラーを担当するジェイミー・マクマスター氏は、「店内シェアを高めることによって毎年販売を30%ずつ増やし、2020年には取扱量を2倍に引き上げたい」と意欲を示す。南部地区での販売量は現在年間20万本だが、2020年までに同40万本を目指す。

 南部を中心に77店舗を展開する「サザンタイヤマート」はモダンタイヤディーラーが行った調査で昨年1位(コマーシャルタイヤディーラー部門)に輝いた全米を代表する大手タイヤディーラー。グループ全体で年間16万本のヨコハマタイヤを販売する。18店舗にリトレッド設備を構えており、その中のひとつ、アーカンソー州のディーラーを訪問した。

 店舗には1万5000本の新品タイヤを収納できる巨大な倉庫と、6台の加硫缶を配置したリトレッド工場が同じ建屋に併設されている。新品とリトレッドの合計販売額は月に約200万ドル(約2億4000万円)で、従業員数は約80名。ひとつの店舗というより、中堅クラスの企業と呼んだほうがふさわしいスケールだ。

サザンタイヤマート
(写真左から)ヨコハマタイヤコーポレーションのジェイミー・マクマスター氏、サザンタイヤマートのジェフ・ジョワーズ氏、マーク・サイム工場長

 リトレッド加工をする製品はトレーラー向けが多く、一部でワイドシングルタイヤのリトレッドも実施している。生産本数は日産270~300本。50年前からバンダグ方式を採用しており、タイヤ管理について豊富なノウハウを持つ。

 同店舗のジェフ・ジョワーズ氏は、「毎日多くの台タイヤが納入されるが、その3分の2は(自社で販売した以外に)様々な場所から運ばれてくる。使用状況や管理が適正であれば4回のリトレッドも可能だ」と話す。

 同社は新品ブランドとしてヨコハマ、ブリヂストン、ファイアストン、ゼネラルのほか、新興国メーカーの製品も販売しているが、「運送会社のユーザーはしっかりしたブランドを選択する。大手はケーシングのクオリティが違う」と、ヨコハマをはじめとしたトップメーカーへ絶対的な信頼を置く。その上で「このマーケットはまだ伸ばせる。これからもヨコハマと良い関係を持ち続けたい」と話していた。


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