台湾企業 探訪④ 建大工業/KENDA

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カテゴリー: レポート, 現地

工場ルポ/雲林工場を訪ねて

雲林工場
雲林工場

 彰化縣員林鎮の本社から中山高速道路に乗って車で約1時間、着いた先は雲林工場である。同工場は1985年に操業開始。2010年から乗用車用タイヤの生産を開始した。生産規模は乗用車用タイヤを日産8000本、主に米国向けの輸出用タイヤを生産している。製造するタイヤサイズは13~20インチとなっている。

 最初に案内された事務所棟1階のロビーには多数のトロフィーが陳列してあるのがすぐ目に入る。そこで働く従業員が地域の各種スポーツ大会で獲得したものだという。否が応でも地域に根差した工場の印象を受ける。

 この日、気温36℃。移動していざ工場内に入ると、涼風を感じる。まるで猛暑から避暑地に逃れたかのよう。それが空調管理のおかげであることを肌で感じるというもの。

 なるほど雲林工場では快適空調システムを導入しており、製造工程によっては、厳格なほどに温度と湿度の空調管理を行っている。とくにスチール製ワイヤーブレードの製造工程では製品の品質を確保するため室温28~30℃、湿度60%以下になるように設定していた。もちろん品質管理とともに従業員の作業環境にも配慮していることは言うまでもない。

 工場内は整理整頓され、日本の一般的な工場とさほど変わりないように見える。だが、製造設備はどうやら最新鋭の設備を備えているようだ。この工場は、決して大きな規模ではないが、ハイパフォーマンスタイヤを製造するのに必要な設備となっているのだろう。成型機(15セット)は台湾の三貿製、加硫機(46台)は日本の三菱製だった。

 製品出荷前の検査工程では全数、厳密な品質チェックが行われる。目視による外観検査に加え、気泡の混入をチェックするバブル検査、重量バランス検査、さらにユニフォーミティの検査という具合である。とくにバランス検査機は真新しい米国製の設備だった。おそらく高額であろう検査設備への投資を惜しまない、モノづくりの姿勢がうかがえる。

 最後に別棟の「混合工程」を見学。本社・員林工場にはカーボンを練る生産設備がないため、ここで練ったカーボンのコンパウンドを員林工場へ配送する。工場間の連携プレーの一端を見た。

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