威海高瀬翻新有限公司② 委託リトレッドの浸透へ

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カテゴリー: レポート, 現地

高品質のリトレッドタイヤを供給、新品タイヤの販売も開始

 高瀬商会と中国・威海市の地元繊維会社である威海新鳴球出口有限公司、バス会社の威海市城郊公共交通有限公司の3社による合弁会社、威海高瀬翻新輪胎有限公司(威海高瀬)。操業開始から5年を迎えた威海高瀬がどのようにタイヤ事業を展開しているのか。本社工場と、同社がタイヤを納入している威海公共交通集団有限公司(威海市バス)を訪れ、関係者から話を聞いた。

 威海高瀬は全量をプレキュア方式(コールド方式)でリトレッドタイヤを生産している。工場は高瀬商会の関係会社であるトーヨーリトレッドをモデルに設計し建設したという。工場内では加硫缶1基による1ライン生産を行っているため、内部スペースはゆとりのあるレイアウトが施されている。

 将来、中国国内でリトレッドタイヤが着実に普及していくものと見られている。需要の拡大への対応を図るには加硫缶を2基、3基と増やし生産ラインを増設しなければならなくなる。同工場はそれを見据え、生産増強に即応できるよう拡張への含みを残しているのだ。

 リトレッドタイヤはどの工程も重要で、作業員には熟練したスキルが求められる。そこで威海高瀬では、日本屈指のリトレッドタイヤメーカーであり合弁パートナーの高瀬商会に作業員を派遣。半年間、現場で作業経験を積むなど研修を受けることでスキルの習得を図っている。また、製造工程でとくに重要とされるバフィング工程ではイタリア製の最新鋭の機械を導入するなど、生産設備への投資も意欲的だ。

工場内にある委託リトレッドの保管スペース
工場内にある委託リトレッドの保管スペース

 一方、威海高瀬が問題点として挙げるのが台タイヤ。台タイヤ不足は日本市場でも同様だが、その度合いは中国市場のほうがより深刻かもしれない。なぜなら中国でのタイヤの使われ方と深くリンクしているからだ。

 品質の高いリトレッドタイヤを生産するには、質の良い台タイヤを確保することが重要条件となる。それは新品時のケーシング性能ももちろんだが、ユーザーがタイヤの二次寿命を意識しているかどうかにも関わってくる。①偏摩耗を防ぐためにローテーションを行う、②タイヤを最後まで完全に使い切らない――リトレッドタイヤ用の台タイヤにはこのようなことが求められる。

 しかし、中国市場ではユーザーの間にそのような認識がまだ浸透していない。さらに事態を深刻化させるのが、重荷重で走行するトラックユーザーが少なくないこと。いわゆる過積載が多いのだ。その状態で走行すると、装着タイヤに与えるダメージは大きい。従って、台タイヤとして使えず、廃タイヤとして処理されてしまう場合が多い。

 このような構造的な問題に直面する威海高瀬がその解決を図るために強く推し進めているのが「委託リトレッド」である。これはユーザーが使用しているタイヤをそのまま台タイヤとしてリトレッド加工し、ユーザーに戻すというもの。使用履歴や管理の状況をユーザー自身が把握しているので、品質の安定したリトレッドタイヤを供給することが可能となる。

 威海高瀬では、取り引きのある山東省内の主にバス事業者にこの「委託リトレッド」を展開し、品質とコスト両面からそのメリットを訴求。それが徐々に浸透し始めているという。工場内に設けられた保管スペースで「委託リトレッド」の一画が確実に増大する傾向を見せているのが何よりの証だと言える。


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