「F1 中国グランプリ」ピレリが復帰2年目のチャレンジ

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カテゴリー: レポート, 現地

ピレリタイヤをどうマネジメントするか

F1中国グランプリ
F1中国グランプリ

 ピレリは4月13日から15日に中国の上海インターナショナルサーキットで開催した「F1中国グランプリ」のパドッククラブに国内メディアを招待した。2011年シーズンは「ピレリがレースを面白くした」と高く評価されただけに、今年もどうレースを変えてくれるのか期待が高まる。パドッククラブから見たレースの様子、現地担当者から聞いた中国市場の今をレポートする。

 2011年、20年振りにF1の舞台に復帰したピレリ。昨シーズン、モータースポーツの醍醐味の一つであるコース上でのオーバーテイク(追い越し)の数はF1史上最多を数え、多くのエキサイティングなレースを演出してきた。

 復帰2年目となる今シーズンもドライ用タイヤを4種類、ウエット用タイヤを2種類を全チームへ供給することに変わりはないが、各種タイヤは「より競争力のあるタイヤ」へとチューニングが施されている。

 具体的には、FIA(国際自動車連盟)による空力関連のレギュレーション変更に対応するため、従来より幅広でフラットな設置面を確保できるように全体をスクエアな形状にした。角ばったショルダーと、柔らかいコンパウンドにより、更なるグリップ力向上と高いパフォーマンスを生み出すことが可能となった。

 また、昨シーズンは異なるコンパウンド間で1周当たり1.2秒から1.8秒あったグリップレベルの性能差を、今年は0.6秒から0.8秒に縮めることを目標にしている。コンパウンドの差が少なくなることでタイヤ選択が難しくなり、結果的により接戦で白熱したレース展開が期待されるというわけだ。

 各チームが「どのタイミングでどのタイヤを選択するか」――ドライバー自身がいかにタイヤ特性を理解してピークをコントロールできるかも含め、タイヤマネジメントの重要性が一層増しているのは間違いないだろう。

 なおピレリは全てのF1タイヤをトルコのイズミット工場で生産しており、各タイヤには製造データが登録される。サーキットでマシンに装着した時点からタイヤの温度や圧力、摩耗率など全ての情報がエントリーされ、ピレリのエンジニアやイタリア・ミラノにある研究開発部門、各チームが情報に即座にアクセス可能になる。こうして得られた情報は各マシンの性能分析と将来のタイヤ開発、あるいは市販用タイヤの技術開発にフィードバックされていく。

 F1用タイヤは先端技術を惜しみなく搭載した究極の高性能タイヤだが、同時に高い安全性が求められる。あらゆる背反性能を高いレベルで達成しなければならない。今後もピレリのエンジニアたちは絶え間ないチャレンジを継続する。

 「明日はタイヤ戦略が極めて重要になる」

F1中国グランプリ
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 F1第3戦「中国グランプリ」が開催された上海インターナショナルサーキットは、上海中心地から車で約1時間の場所にある。コースは1周5451.24mで、合計16のカーブを配置。コースレイアウトが上海の「上」の字になっていることも特徴だ。2004年から毎年F1を開催しており、今回で9年目を迎えた。収容人数は最大20万人。

 ピレリアジアパシフィックのポンツォーニ氏は「中国の人たちは新しいものが好きなため、年々F1人気が高まっている」と話す。また地元の関係者は、「2004年当時は観客の多くは富裕層が占めていたが、近年は所得向上に伴い客層が拡大している。また若年層のファンが増えているのも特徴」と説明する。

 14日の予選では、ニコ・ロズベルグ(メルセデス)が1分35秒121というタイムを叩き出し、ポールポジションを獲得した。日本人ドライバー小林可夢偉(ザウバー)は、1分35秒784で予選自己ベストとなる4位を記録(ハミルトンがグリッド降格処分を受けたことで3位に昇格)。

 予選結果を受けて、ピレリ・モータースポーツ・ディレクターのポール・ヘンベリー氏は「明日はタイヤ戦略が極めて重要になる」とコメントを発表した。


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