東洋ゴム マレーシアの2工場を軸にアジアで攻勢図る

シェア:
カテゴリー: レポート, 現地

右から中倉健二会長、取締役常務執行役員タイヤ事業本部長の山本卓司氏
中倉健二会長(右)

 開所式後に行われた記者会見での一問一答は以下の通り。

 ――A.T.O.M.について。
 「将来は人件費がアップする可能性があるため、フルオートに対応できるレイアウトになっている。自動化率よりも完成した製品のレベルが最も大事。人間がカバーすることにより、設備コストが下がる」

 ――技術流出リスクをどう防ぐか。
 「キーとなる部分は我々の近いところ、安価で品質的に問題のないものはローカルに発注し、それを自分たちの中で総合的に組み立てているので、安心して海外にも展開している」

 ――人材教育について。
 「そばにシルバーストーンの工場があり、相互に行き来している。新工場ではタイヤ生産の経験者たちでスタートできる。中国工場では日本人が中国人のリーダーに教えて、さらにその人が部下に教育するため、ワンステップ多くなるが、マレーシアではタイヤ作りの経験がある人間が、同じネイティブに教育するという点が異なる。マレーシアは多くの従業員が自宅から通勤している。それは定着性が高いということにつながる。タイヤのように特殊なスキルが要求される仕事は長く働いてもらえることはメリットになる」

 ――OE納入について。
 「ほとんどの日系メーカー、一部の欧米メーカーから話を頂いており、商談を進めている段階。ただマレーシアの新車メーカーにはシルバーストーンブランドをすでに納入しており、それをTOYO TIRESブランドに置き換える計画はない」

 ――市販タイヤ市場は。
 「現状のマレーシアのシェアは2.5~3%位、それを2015年までに5%以上まで持っていきたい」

 ――TPPの影響について。
 「シルバーストーンはシェア20%程度と高いが、これは関税で守られていることがある。これがなくなることがデメリット。一方、TOYO TIRESにとってはここから世界に供給できるというメリットがある。将来的にはTOYO TIRESが増えていくのでそういうメリットを活かしていきたい。どのような状況でも勝ち抜いていく」


[PR]

[PR]

【関連記事】