ミシュランタイヤの農業機械用ラジアルタイヤ 生産性向上へ寄与

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カテゴリー: レポート, 現地

 農業機械用タイヤにおいてもラジアルタイヤを積極的に推し進めるミシュラン。近年、農機の大型化が進行するのに併せて新車装着が増え、国内市場でも徐々に存在感を示しつつある。様々な課題を抱えながらもさらなる生産性向上を目指す農家に対し、タイヤがいかに貢献していくのか――同社の取り組みを追った。

土壌圧縮の低減による生産性向上

 「土壌を踏み固めず、長年にわたり、その畑でどれだけ良い作物が、どれだけ効率良く生産できるかが重要。土をいかにコントロールするかが収穫に大きく影響する」――日本ミシュランタイヤ農業機械タイヤ事業部の佐野恒彦セールスマネージャーは、農業の現場においてタイヤが果たす役割をこう説明する。

 これまでほぼ100%をバイアスタイヤが独占していた国内の農業機械用タイヤ市場が変わりつつある。徐々にではあるがラジアルのメリットが認知されてきたという。

様々な農業機械
様々な農業機械

 農家では作物の種類や作業によって、大型から小型まで複数の農機を所有していることが多い。例えば北海道では、春先に雪で固まってしまった土壌を反転させる作業が発生するが、より効率的に行うためパワーのある大型機械が使用される。その後、反転させた土の整地、作物を植えていくタイミング、さらに農薬散布、収穫とそれぞれ専用の農機が必要となってくる。とくに大型機は過酷な条件下で使用されることが多く、タイヤも大口径のものが求められている。

 一方、近年は農家の経営環境の悪化を背景に、後継者不足が表面化し就業人口が急速に減少している。こうした危機を打開するために政府が主導となって小規模農家や兼業農家から大規模農業への集約、耕作面積の拡大が進められてきた。これまで以上に高い生産性が求められる現場では機械の大型化が進み、それに伴い、ラジアルタイヤの装着が増加している。

 「元々、水田が主体の日本は小型車両が多く、バイアスがメインのマーケットだった。だが、畑作でも水田でも少しずつ車両が大きくなり、さらに輸入車両が次々に入ってきている。その結果、マーケットでラジアルの良さが広がってきた。国内の農機メーカーも大型化を進めるにあたり、最近はラジアルタイヤを使用するようになってきたのがここ10年くらいのトレンドとなっている」

様々な農業機械
様々な農業機械

 日本自動車タイヤ協会がまとめた2013年の農業機械用タイヤの販売本数は、新車用が52万4000本、市販用が10万本となっており、これ以外にも商社を通じて廉価なアジア製品が多数輸入されている。ラジアル比率は不明だが、輸入車両で100馬力を超えるような大型モデルにはほぼ100%ラジアルが装着されているという。このカテゴリーは年々需要が伸びているため、今後ラジアルの販売本数も少しずつ拡大していくものと予想される。

 農家がタイヤに求める性能で第一に挙げられるのは、トラクション性能。そして次に来るのが、いかに土壌を圧縮しないで作業ができるかどうか――農業においてタイヤの性能は、生産性や収穫量に直結する重要な要素となっているのだ。トラクターが畑を走行すると、車重で土壌が変形し圧縮される。その結果、保水力が無くなり、微生物も死滅してしまう。踏み固められた硬い層になると根がきちんと伸びていかないというデメリットもある。

 「我々の農業機械用タイヤは、ふわふわの土になるので根が伸び、より良い作物ができる。また長年畑を使用していると、どうしても土壌圧縮ができ、大きな重機で反転させる作業が必要になる。この期間を少しでも長くするためにタイヤを上手くマネージメントして頂くよう提案している」

 農業が抱える課題は山積みだが、その一方で、品質が良く安全な日本の農作物への関心は高まっている。国際競争力を持ち、将来に繋がる強い農業を育成していくことは今後ますます重要になってくるだろう。そしてタイヤによる“土への優しさ”もその役割の一端を担っていくことになる。

「北海道に適したタイヤ」

 北海道芽室町に東京ドーム約10個分にあたる約45ヘクタールの農地を所有し、麦や豆などを生産している道下勇治さんは、ミシュラン製品を多数導入している。7月中旬、日本ミシュランタイヤの担当者および同社製品の販売・サービスを行う有限会社白田タイヤ商会(芽室町)の吉澤喜代志店長とともに現地を訪れ、農家が抱える課題やミシュラン製品導入の背景をきいた。


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