品質と品揃えで中古ニーズに対応 太平タイヤセンター湾岸本店

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カテゴリー: ディーラー, レポート

品質と品揃えで中古ニーズに対応

 平成不況、それに追い打ちをかけたリーマンショックにより、消費者のデフレ志向はいや増すばかりのよう。各種の政策実施で、自動車産業には明るさが戻ったとはいえ、先行きの見通しははなはだ不透明だ。市販タイヤ市場も然り。そのような環境下、しかし消費者の強いニーズに支えられ伸長している分野もある。その一つが中古タイヤだ。太平タイヤセンター(愛知県弥富市)はこの中古タイヤ販売で大いに注目を集めている。同社を運営する有限会社太平の代表取締役社長、松井重幸氏に話を聞いた。

さまざまなブランドのあらゆるサイズ、残溝状態のタイヤを揃えている
さまざまなブランドのあらゆるサイズ、残溝状態のタイヤを揃えている

 湾岸本店は伊勢湾岸自動車道・飛鳥ICからクルマで2分ほど。名古屋から20km圏内に位置し、名古屋港の臨海工業地帯や、中部地区最大級のイベント会場であるポートメッセなごやに近接する。

 その店はまさに〈威容を誇る〉という形容にふさわしい。松井重幸社長によると、敷地面積は約4000坪、東京ドームのグラウンドの広さとほぼ匹敵するそうだ。その広大な敷地に建物が4つ建ち並ぶ。いずれも商品の展示棟である。その棟内にタイヤが、ホイールが、ぎっしりと陳列されている。あまりにも壮観な眺め。その数量、そのスケール、その迫力に、見る者はただ、ただ圧倒されるのみ。

 一般的なタイヤをはじめ、高性能超偏平タイヤに4WD向け大口径タイヤ、レース用のスポーツタイヤやセミスリックタイヤ、それにホワイトリボンが施されたレア物まで。スタッドレスタイヤも各種取り揃えている。それらがジャンルごと、またサイズごとに分類され、見やすいようラックに整然と陳列されている。その在庫量は常時5万本以上だという。「タイヤならおそらく、『ないものはない』と思います」、松井社長はそう説明する。

 タイヤと同様、アルミやスチールのホイールも、車種やサイズ別にストックされ陳列されている。足廻り以外にも、オーディオ関連、シート、ハンドル、マフラー、スポイラー、カーナビ、車高調キットなど、クルマに関連するありとあらゆるパーツ・用品が並ぶ。その数は20万点にも及ぶという。そして、そのいずれもが中古品であること、それがこの店の最大の特徴だ。

 作業場には8つのピットレーンに10数台のタイヤチェンジャーが並ぶ。冬のはめ替えシーズン最盛期にはそれらがフル稼働し、日に2000本も交換することもあるという。遠く、関東や関西圏から訪ねて来る顧客も多いため、営業時間は午前10時から深夜24時まで。このことも同店の特徴の一つに挙げられる。

ホイールも多数在庫している
ホイールも多数在庫している

 中古品販売に対するこだわり。それは有限会社太平の出自に由来する。松井社長によれば、同社は25年前、1985年に創業した。松井社長の父親がもともと自動車の解体・回収に関連する事業を営んでいたことから、中古タイヤに強い興味を抱いていたという。解体される自動車から外されたタイヤ。まだ充分に使えるものを処分するなんて、なんともったいない――この〈もったいない〉の精神が礎となって、太平タイヤセンターが事業化された。

 愛知県稲沢市に出店したのが松井社長が20歳のとき。当初はコンテナ4本からのスタートだった。それが年を追うごとに業容を拡大。やがて、同地では手狭となり、2002年に現在地に移転。湾岸本店として営業を開始し、現在に至っている。

 松井社長は「中古タイヤ販売はニッチなニーズに対応するもの」と話す。それはどういう意味なのか。次のような例え話を持ち出す。

 「愛車のタイヤが1本パンクして交換しなければならないとします。4本全部を新品に交換するのが通常ですが、実はそのクルマをあと数カ月しか乗る気がない、あるいは冬タイヤへの交換を経て次の夏タイヤに交換する段階で全交換したい。そのようなとき、1本だけ新品に交換するのでは他の3本とのバランスがよくない。場合によって、装着されていたタイヤが下市されていて入手できず、1本だけ異なるブランドを装着しなければならない。そのような不都合が生じることもあります」。そのニーズに対応できるのが中古タイヤ、そう位置づける。

 松井社長は次のように続ける。「今のクルマをこれからも長く使われるなら新品を買われた方が良い。しかし、1本だけ、あるいは2本交換するなら中古を選んで、それで浮いた予算を貯めておいていただき、次回交換するときにワンランク上のタイヤを選んではいかがでしょうかと、お勧めしているのです」

 巷に出回っているいろいろなブランドのあらゆるサイズ、さまざまな残溝状態のタイヤをでき得る限り取り揃えていった結果が、太平タイヤセンターの在庫量に表れているのだ。

 同社では、自動車解体時、それに一般ユーザーからの買い取りによって、商品を仕入れる。仕入れたタイヤは1本1本、ていねいに検査する。この検査工程がもっとも重要だと、松井社長は力説する。「品質を絶対に無視してはいけない。仮に商品として不適当な物が流通しそれによって重大な事故が引き起こされたとしたら、中古品に対する信用・信頼はたちまちのうちに失墜してしまうのだから」。同社では、1本1本すべてに規定値以上の空気を充てんするなどし、最終確認を行なっている。

 各種の検査工程の後、残溝や傷、クラック等の有無、経年変化の状況などを細かくチェックし、製造年月日までをもプライスカードに記載する。それをコンピュータで一括管理し、どのブランド・サイズの、どの状態のタイヤがどこに保管してあるかを即座に判別できるシステムを構築している。

 最近の悩みの種は国内メーカーの良質な中古品が入手しにくくなってきたこと。中古にこだわり続けると、良質な品を提供できなくなることが懸念され、2年ほど前からアジアン製品の新品をラインアップに加えるようになった。だが一方で、これまでの四半世紀のキャリアから、中古タイヤ販売の役割というものにも自負を抱く。近い将来には支店の開設も視野に入れている。

 中古品へのニーズに対し、品質と品揃え、価格を両立させ、いかに顧客の満足度を上げるか。太平タイヤセンターの存在性はそこにある。


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