エイワ ホイールアライメントテスター「John Bean Prism Elite」

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カテゴリー: レポート, 整備機器

3D方式とセンサー方式の“イイトコどり”

 エイワはこのほど、ホイールアライメントテスターの新製品を上市した。John Bean(ジョン・ビーン)「Prism Elite(プリズム・エリート)」がそれ。製品名にある「エリート」はエイワの独自仕様であることを表すものだ。この7月から本格販売を開始した。

 「プリズム・エリート」は「2ターゲット&2ポッドテクノロジー」を採用したことが最大の特徴。商品部の木崎功太郎さんは「3Dタイプと従来からのセンサータイプ、この両者の〝良いところ取り〟をしたもの」と説明する。

 3Dタイプとは、高解像度のCCDカメラがターゲットと呼ばれる反射板のパターンを視覚的に捉えた情報を3次元画像処理し瞬時にアライメントデータを測定する仕組み。同社ホイールアライメントテスターの最高級モデル「V3D」シリーズに採用されており、それによる精度の高さはユーザーから好評を博している。

 一方、センサータイプは、ホイールに取り付けするセンサー自身が測定機器であり、CCDセンサーと角度検出センサーが捉えたアライメント情報を電波や有線によりアライナー本体へ送信する方式。同社のホイールアライメントテスターのラインアップではエントリーモデルに採用されている。センサー自身が精密機器であることから取り扱い時の慎重さや継続的なメンテナンスコストが比較的大きな負担となっていた。

 新製品は、前輪は3D方式、後輪はセンサー方式により、それぞれホイールアライメント測定を行うという折衷方式――すなわちハイブリッドタイプを実現した。この「2カメラテクノロジー」による〝良いところ取り〟とは、具体的にどういうものなのだろうか。木崎さんに実演してもらいながら、話を聞く。

高い精度で、かつ作業性を向上

後輪に取り付けられた「ポッド」
後輪に取り付けられた「ポッド」

 まず、木崎さんはクルマをターンテーブルに移動させ、前輪にターゲットを、後輪に「ポッド」と呼ばれるポータブルデバイスとクランプをそれぞれ取り付ける。3Dタイプでは従来、このターゲットが捉える情報をリフト前方に据えられた最新式カメラが3次元画像処理をするのだが、それにはカメラを据えるカメラマウントポスト(支柱)が必要となる。高い精度を維持し4輪すべてをカバーするためには、ターンテーブルからポストまで1メートル程度の距離が必要となるので、リフト前方にはそれなりの空間が必要となった。だが、「プリズム・エリート」では前輪に3D式ターゲットを、後輪には新開発の「アライメント・ポッド」を採用し、前方のポストを不要にした。

 後輪に使われるポッドは前輪に取付のターゲットとの読み取りを行うと同時に、後輪の測定を行うセンサーの役目も担う。後輪側から車輪の角度などターゲットを通じて得られた情報を読み3次元画像処理するという恰好となる。従って、ポストを据えるためのスペースを確保する必要がなくなった。

 そもそもエイワが採用していた「V3D」シリーズはリアル3D測定が最大の特徴だが、一方ではポストのポジションに配慮しなければならず、小さなスペースのサービスヤードではセンサータイプを使われることが多かった。「プリズム・エリート」はその〈憂い〉を解消し、省スペース化を果たした。

前輪には「ターゲット」を装着
前輪には「ターゲット」を装着

 また、「ポッド」のセンサーも大きく進化した。測定精度を向上しながら、サイズのコンパクト化と軽量化を実現。筐体はマグネシウム製なので衝撃に強い。それにより作業性を向上したのも大きな特徴の一つだ。しかも、3Dタイプや2Dタイプと比較して、初期コストを低く抑えることができるのも特徴である。さらに、「ポッド」には充電式のリチウムイオンバッテリーを採用。1度充電すると24時間ほど追加充電することなく作動するので、作業時間から勘案すると充電は1週間に1度程度で済むようだ。

 木崎さんはアライナー本体の画面指示に従って作業を進めていく。まず、ランナウト補正から。「プリズム・エリート」ではリフトアップの必要がない。まず、リフト上に設置したポッドが前輪のターゲット捉える。画像処理を行うためにタイヤを前後に20cmずつほど転がるよう車両を動かす。ターゲットの中の円が弧を描くことで、前輪の情報を読み込むのだ。次に後輪の場合、ポッドを後輪へ取り付け、車両を後方に動かしタイヤを180度回転、前方への90度回転により必要な数値を読み込み、ホイールの振れやクランクの取り付け誤差を取り込む。このロールバック補正に加えて、エクスプレス・ランアウト機能が採用されているのも特徴の一つと言える。

 従来のセンサータイプでは、ハンドルを切る作業によって直接測定できるのはキャスター角のみだったが、「プリズム・エリート」は前輪が3Dタイプなので、左右のトーの切れ角の差や最大切れ角まで直接測定することが可能となった。

 木崎さんはまた「『プリズム・エリート』にはホイールベースやトレッド幅のオフセットなどの測定機能も搭載されているが、これも3Dタイプにあってセンサータイプにはない機能だ」とする。3Dタイプの良いところとセンサータイプの良いところを併せ持つ、とても実用的なモデルだと胸を張る。

 センサーからの情報はBluetoothを使用し、ワイヤレスで送信される。従って、電気的な障害がある場所であっても通信が途絶えることなく、アライメント作業を行うことが可能だという。

 ホイールアライメントは快適なドライビングと偏摩耗の抑制に深く関わる。快適性とエコの観点からその需要は再び高まりつつある。高い精度で、作業性が良く、しかも3Dタイプの機能を有しながらコストパフォーマンスに優れること--そのようなニーズにマッチするのが「プリズム・エリート」だ。


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