東洋精器工業 アライメントテスター「CORGHI LABO BLACK TECH X」

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カテゴリー: レポート, 整備機器

縮小化したカメラユニット

 東洋精器工業は、4ホイールアライメントテスターの新製品としてCORGHI(コルギー)社「LABO(ラボ)BLACK TECH X(ブラック・テック・エックス)」の本格発売を開始した。販売企画部主任で商品・技術アライメントチーフアドバイザーの小原隆佳さんが実演デモを行いながら、ポイントごとに詳しく解説してくれた。

「BLACK TECH X」と小原隆佳主任
「BLACK TECH X」と小原隆佳主任

 「BLACK TECH」シリーズは、CCDカメラによる3次元計測方式を採用したホイールアライメントテスター。「BLACK TECH X」は、その最新バージョンとなる。従来製品にさまざまな改良点が施されているが、とくに大きく違う点はカメラユニットだ。

 人は一つの物体を左右の目で見ることによって距離を把握する。CCDカメラの3次元計測方式も仕組みはそれと同じで、左右にカメラを設置することで精度の高い測定が可能となる。従って、映像を数値化し測定するためにカメラを据え付け固定しなければならない。それにはターンテーブルのフロントにカメラユニット部であるポストを置くが、従来の「BLACK TECH」ではテーブル芯からカメラユニットまでの距離が2500mmに限られていた。それが「BLACK TECH X」の場合、2200mmから2500mmまでと、範囲を持たせることが可能となった。

 また「BLACK TECH X」では、ターゲットからの映像を見る個々のカメラをこれまでのように横1列ではなく、左右と上下、そう振り分け配置した。それによって、カメラユニット部の横幅を短くすることが可能となった。具体的には、従来機のカメラユニット部は左右3700mmだったのに対し、「BLACK TECH X」は2820mmと、1m近く短縮されているのである。

 従来機ではおよそ4メートルになろうかというカメラユニット部は、作業スペースに限りのある店舗では導入を検討するときのネックとなっていた。だが、「BLACK TECH X」ではCCDカメラの性能や本体の機能を落とさないまま、ユニットの寸法を従来よりも短くした。これにより、作業場における省スペース化を実現。リフトとほぼ同じくらいの幅であることから、より導入しやすい仕様となった。

高い精度で測定。調整作業は安全・確実に

 CCDカメラの3次元計測方式の最大の特徴は、精度の高さと作業性の良さ。ターゲットの情報をカメラが捉え、瞬時に数値化するからだ。「BLACK TECH X」は、車両のホイールベースやトレッド幅、タイヤの取り付け位置の対角寸法などがミリ単位で計測することができる。また、光学式測定ヘッドと異なり、センサーの前後左右間の因果関係が無いので、低車高の車両でも測定することが可能だ。

 さらに、アライメント調整の作業中に、車両とターゲットの間を他の作業者が横切ったとしても、複数のカメラがターゲットを捉えているため、画面の数値が途切れるようなことはない。NIRビジョンは日光や照明などの光線の反射に影響されにくく設計。どのような作業環境でも対応し、作業効率を向上した。

 「BLACK TECH X」に搭載されたカメラもレベルアップしている。カメラが広い範囲を捉えるため、リフトアップせず、車両をフロアに着地させた状態のまま、フロアランナウトとキャスターの測定を可能にした。小原さんによると「調整時だけリフトアップするので、測定時の車両落下事故を防ぎ、作業時の安全性が大きく向上した」と説明する。測定を終え調整するためにリフトアップしても、再度カメラで測定したり、入力し直すなどの作業も必要ないそうだ。

 作業者にとって、リフトを上げた状態でブレーキを解除する測定作業は大きなストレスを生む。調整時の場合はブレーキをかけているのでその心配はないから、測定時にリフトアップをしなくて済む分、作業者のストレスが軽減し、同時に作業性の向上にもつながってくる。

 また、ランナウト測定は、後輪タイヤを約20センチバックさせるだけで作業が完了。あらゆるリフトにも対応しているので、測定時間の短縮、作業効率の向上に大きく貢献するとしている。

 ターゲットを装着するクランプは、リムの形状に合わせて使い分けが可能な「マルチクランプ」タイプ。リバーシブルタイプなので作業性が高い。また、10~26インチの低車高車にも対応することができる。またターゲットとクランプを分離できるので、車高が低いアルミホイールへも簡単に取り付けることが可能だ。

 デモではまず、クルマをターンテーブルに移動させた。タイヤ4輪にクランプを取り付け、そこにターゲットを装着。測定の開始だ。車両を約30度、前後させる。ランナウト測定である。次に、ハンドルを10度ほど、左右に切る。これでキャスター測定が完了した。リフトのレベルを入力する必要がなく、作業者が調整時に力を入れやすい、任意の高さポジションで調整作業することができる。作業自体は、クルマが軽自動車でも輸入車でもまったく手順は変わらない。これは3次元計測方式のメリットの一つだと言える。

 CCDカメラをより高性能化し、ユニット部のコンパクト化を図るなど、「BLACK TECH X」は従来機種から大きく進化した。だがその一方で、コストアップを極力抑え、従来機種よりも価格を下げたと、小原さんは説明する。これも「BLACK TECH X」のアピールポイントの一つだ。

 ホイールアライメントテスターは、作業者がそれを使いこなすことができるかが焦点となる。多店舗展開を行っているタイヤ取扱店の場合、複数の異なる機器を導入しているケースもあるだろう。店舗間でスタッフの異動が行われたとき、それまで使ったことのない機種に遭遇すると、独学でそれをマスターしなければならないかもしれない。CORGHI社のホイールアライメントテスターの場合すべて、作業の手順がモニター画面に表示されるので、その通りに進めていけば良い。仮に作業を間違えたときには次のステップに進めないようになっている。「BLACK TECH X」でもそれは踏襲されている。


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