住友ゴム工業「エナセーブ EC203」定評のあった従来品をバランス良く進化

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カテゴリー: レポート, 試乗

EC203

定評のあった従来品をバランス良く進化

EC203 住友ゴム工業は、スタンダードクラスの低燃費タイヤ「ENASAVE EC203」を2月から発売開始した。同商品は転がり抵抗を低減しつつ、ロングライフ性能を向上させたことが大きな特徴となる。同社は発売を機に3月上旬、静岡県内でプレス向け試乗会を開催した。

 新商品「ENASAVE EC203」の前モデルとなる「ENASAVE EC202」が発売されたのは2009年10月。それ以来、「EC202」は同社の最量販モデルとして市場で高い存在感を示してきた。日本能率協会総合研究所が毎年発表している全国カー用品量販店上位2社を対象にした低燃費タイヤの商品別調査において、2010年から2013年まで4年連続で販売本数第1位を獲得するなど多くのユーザーに支持されてきた。

 その定評のあった「EC202」が今回、約4年ぶりに「ENASAVE EC203」としてリニューアル。従来品より低燃費性能をさらに向上させつつ、ユーザーからのニーズが高いライフ性能の向上も実現している。発売サイズは13~18インチの全60サイズで、5リブのスタンダードパターンと4リブの軽・コンパクトカー専用パターンが用意された。

ユーザーが求めるライフ性能

EC203 開発担当である第一技術部の竹本義明氏は、「コンセプトは“長持ちする低燃費タイヤ”。我々が行った消費者の意識調査では『低燃費タイヤにプラスされたら魅力的な性能は?』という質問に対して、全体で44.9%が『ゴムが減りにくい(長持ちする)』と回答した。そこで当社はエナセーブに、ロングライフを追加し性能を進化させた」と説明する。

 技術面では、同社独自の材料開発技術「4D NANO DESIGN」によって開発した「新マルチ変性SBR」をトレッド部に採用することで、不要な発熱を抑制。転がり抵抗を従来品と比較して12%低減しつつ、シリカの分散性を高めたゴムにより耐摩耗性能を向上した。

 またサイドウォール部にはポリマー末端部の発熱を抑制する「末端変性ポリマー」と、タイヤを均一にたわませることでサイドウォール部のストレスを軽減する「真円プロファイル」を採用した。さらにパターン剛性の最適化を図り、耐摩耗性能をスタンダードパターンで9%、軽・コンパクトカー専用パターンで17%向上させた。この結果、ラベリング制度のグレーディングは、転がり抵抗性能が従来の「A」から「AA」に進化している。(ウェットグリップ性能は新旧商品ともに「c」)

「本当にバランスが良いタイヤ」

EC203 今回の試乗会は「スタンダードタイヤなので、実際のお客様の目線に立った会場を」という同社の意向により、テストコースではなく静岡県の伊豆スカイラインおよび近隣の一般道で行われた。

 新商品と従来品との比較評価では、トヨタ・プリウス(195/65R15)、マツダ・デミオ(175/65R14)を、新商品のみの絶対評価では、ホンダ・フィット(185/60R15)、マツダ・アクセラ(205/60R16)、VW・アップ(205/70R14)などを使用。評価にあたっては、国内カーメーカーで長年、新車開発の評価を務めた経験を持つ早津美春さんをドライバーに迎え、操安性能や低燃費性能をメインにインプレッションを進めた。

 あらゆるコースを走行し終えて、早津さんは次のように話した。「新商品は本当にバランスが取れていると感じた。モデルチェンジして全てにグレードアップしたのは間違いない。一番の良さはクルマとの一体感があり、キビキビ動くこと。舵角に対する動きがマイルドに、かつスムーズになった。とくにコーナーで一体感がある動きをするので、安心感が高まった」  従来品の場合は、ハンドルを切ったときの位相遅れが多少あったが、新商品ではこれが見事に解消されているようだ。

 さらに「デミオで試走した時は『車が変わったのではないか?』と思うほど違いを感じた。従来品装着時は多少ドタバタ感があったが、新商品を装着したデミオは一体感が生まれて、まるでマイナーチェンジをしたのではないかと錯覚するほど変わった」と評価する。

 新商品の特徴の一つである転がり抵抗に関してはどうだろうか?「スタート時から踏み込んでいった場合、202は上がり方がリニアでないが、203はまっすぐ上がっていく。下り坂でのスピードのノリ方も良くなっており、燃費も期待できそうだ」――これは転がり抵抗が確実に低減された効果といえそうだ。

 昨今、各社が低燃費タイヤのラインアップを拡充させており、とくにスタンダードゾーンでは商品特徴の差別化が図りにくい環境になっている。こうした中、同社では新商品開発にあたり、企画の段階から「ライフ性能」にもこだわり、これまで培ってきた技術を全てつぎ込んだという。

 新商品は“長持ちする低燃費タイヤ”として、軽自動車からセダンまで、街乗りから長距離まで幅広いユーザーに勧めやすい商品に仕上がっているといえそうだ。


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