試乗レポート 横浜ゴム「BluEarth AE-01F/BluEarth-A」“AAA”をボリュームゾーンに展開

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カテゴリー: レポート, 試乗

BluEarth AE-01F

“AAA”をボリュームゾーンに展開

BluEarth AE-01F 横浜ゴムはこのほど、「BluEarth」シリーズの2商品をリニューアルした。一つはハイパフォーマンス低燃費タイヤ「BluEarth-A」で、転がり抵抗性能指数「A」を維持しながら、ウェットグリップ性能指数を従来の「b」から「a」にリニューアルしたもの。「A/a」グレード全45サイズを今年7月から発売中。

 もう一つはスタンダード低燃費タイヤ「BluEarth AE-01F」。「AA/c」グレードの「BluEarth AE-01」をリニューアルし、転がり抵抗性能で最高グレード「AAA」を獲得した。「AAA/c」グレード205/55R16 91V~165/70R14 81Sの19サイズについて、2014年2月1日から新発売する。その発売を機として同社は12月6日、茨城県のタイヤテストコース「D-PARC」で、2商品の発表試走会を開催した。

 「BluEarth」シリーズは、『環境性能のさらなる向上+人に、社会にやさしい』をテーマとしたグローバルブランド。低燃費技術の粋を集め開発した「BluEarth 1 EF20」(AAA/a)を環境フラッグシップタイヤに、乗用車用、ミニバン用で商品ラインアップを揃えている。

 今回、アッパー・ミッドサイズ、重量級向けの「BluEarth-A」と、量販ゾーンとなるスタンダードカテゴリーの「BluEarth AE-01」をそれぞれリニューアル。そのコンセプトを“2つの最高グレードを。”というキーワードで表現している。

 リニューアルした「BluEarth-A」は、低燃費タイヤのウェット性能を最高グレードの「a」に格上げ。

 「BluEarth AE-01F」では、フラッグシップなどに限られていた転がり抵抗性能の最高グレード「AAA」を、ユーザーが買い求めやすいスタンダードカテゴリーで展開。低燃費タイヤの一層の普及促進を図ることで、社会全体で環境負荷のさらなる低減を図る考えだ。

 リニューアルにあたり、従来モデルの構造やプロファイル、トレッドパターンについてはそのまま踏襲。一方で、2商品それぞれに専用の「ナノブレンドゴム」を開発し、目標性能を達成した。

 その結果、「BluEarth-A」の「A/b」「A/a」比較で、ウェット制動性が8.7%向上。「BluEarth AE-01F」では、スタンダード低燃費タイヤ「ECOS ES31」対比で、転がり抵抗11.4%低減を実現した。

等級の差が明快に

 低燃費タイヤの性能評価を行うときに、もっともわかりやすい試験方法が「転がり実験」。傾斜をつけた坂道の頂上に、エンジンを切りギアをニュートラルに入れた状態の車両を置く。サイドブレーキを解除すると、坂による惰性で車両は走行。坂を下り停止するまでの距離を測定する。

BluEarth AE-01F 今回の実験は、「BluEarth AE-01F」が獲得した転がり抵抗性能「AAA」とはどのようなレベルなのか、それを目の前で確認しようとものだ。

 ホンダ・フィット・ハイブリッドに185/60R15サイズのタイヤを装着。「ECOS ES31」と「BluEarth AE-01F」で2回ずつテストした結果、前者の平均走行距離は46.975mに対し、後者は64.575m。距離にして17m、指数にして37.5%アップと、圧倒的な差だ。「A」と「AAA」、そのグレードの違いがはっきりと表れた。

 「BluEarth AE-01F」については、D-PARC内の周回路、ノイズや振動、乗り心地を評価する特殊路を使用し、テストドライバーの運転による同乗走行形式の絶対評価を行った。

 ドライバーはタイヤ実験部の川村雅国氏が担当。また、モータージャーナリストの日下部保雄氏がフィット・ハイブリッドを使用し、ドライブと評価を行ってくれた。

 日下部氏は、「転がり抵抗性能を上げたことで、ほかの性能が犠牲になったということはない。特殊路で道路継ぎ目の段差乗り越しではダンピングが効いた、マイルドな乗り心地を実現している。高速走行時の連続したスラロームでは、挙動が穏やかで車体の収束も速い。レーンチェンジでの応答遅れはないし、と言ってスポーティタイヤのようにクイックに過ぎることもない。ドライバーの意思通りの動きをしてくれる」と講評する。

 スタンダード領域のタイヤでありながら、高速走行の直進安定性やノイズ性能はワンランク上の性能を充分備えていると言える。クルマ好きの層はもちろんだが、女性ドライバーなど、普段使いでしかクルマを運転しないユーザーにも扱いやすいタイヤだ。

 「BluEarth-A」は周回路と特殊路を使用し、川村氏のドライブで絶対評価でテスト。さらに、「ECOS ES31」との比較評価として、ウェット円旋回、ウェットハンドリングをテストした。

 周回路~特殊路で、川村氏は「ロードホールディングがしっかりとしていて、ハンドリングしやすい。荒れた路面ではエンベロープ性にすぐれ、振動をタイヤがうまく吸収してくれる」と説明する。

 一方、路面μの低いウェット円旋回では、従来モデルとの性能差が端的に表れる。従来モデルの場合、時速40km/hの手前でグリップ限界が表れてしまう。だが、「BluEarth-A」はよく粘る。40km/hを超えても路面をグリップし続ける。ウェットハンドリングでも、「BluEarth-A」はハンドルの切り角が小さく、パイロン間をシャープに走り抜ける。

 とくに「BluEarth-A」は、ボルボに代表される重量級の車種で、しかも時速150km/hにも及ぶハイスピード・ハイパワーにも決して力負けしない走りを備えているのが大きな特徴。

 低燃費タイヤにとってウェット性能はトレードオフの関係にある。転がり抵抗といかに高次元でバランスさせるかは、タイヤ技術にとって永遠のテーマの一つ。ウェット性能が「b」から「a」へと上がった、その実力の片鱗を味わうことができた。


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