氷路を強力にグリップする住友ゴムのスタッドレスタイヤ「WINTER MAXX」

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カテゴリー: レポート, 試乗

WINTER MAXX

氷上制動性能を大幅に向上

 住友ゴム工業は、ダンロップ・スタッドレスタイヤの新ブランドとして、「WINTER MAXX」を8月から順次発売した。新商品の発売を期して、同社は今年2月、新商品試走会を開催。”ダンロップ史上、氷上性能をマックスに極めた”とする「WINTER MAXX」の全容を公開した。

WINTER MAXX
WINTER MAXX

 スタッドレスタイヤの新ブランド「WINTER MAXX」。その開発には、数々の最先端技術が投入された。その一つが「MAXXシャープエッジ」だ。

 独自のサイピング技術に「ミウラ折りサイプ」がある。この技術は、ブレーキング時やコーナリング時にブロックの倒れ込みを最小限に抑えることを図った特殊な立体サイピング技術のこと。ブロックの倒れ込みを抑え込むことで、高いブロック剛性を維持しながら路面との接地面積を拡大するので、アイス路面でのグリップ力を向上させる役割を持つ。

 「MAXX シャープエッジ」は、従来の「ミウラ折りサイプ」のサイプ幅を25%細く、シャープにする「新ミウラ折りサイプ」へと改良することで、ブロックの倒れ込みのさらなる抑制を実現。同時に、サイプ数を増加させることで、エッジ成分を22%アップした。これにより、氷上ブレーキ性能を向上させている。

 ゴムの開発には、独自の新材料開発技術「4D NANO DESIGN」を活用。それによる「ナノフィットゴム」を採用した。ゴム配合剤の一つ、軟化剤がゴム内部でクッションの役割を果たすことで、ナノ領域で氷の凹凸に柔軟に変形し強く密着。また、高密度シリカがゴム内部でネットワークを構築することで、マクロ領域のゴム剛性を向上させた。

 これら新技術を搭載することで、「WINTER MAXX」は氷上ブレーキ性能を従来品「DSX-2」対比11%も向上した。また、目まぐるしく変化する冬の天候に対応するため、氷上性能だけでなく、雪上やシャーベット状の路面、さらにウェット、ドライなど、さまざまな道路状況での性能を向上。ライフ性能も向上させ、環境負荷低減も図っている。

氷路を強力にグリップ

WINTER MAXX
WINTER MAXX

 「WINTER MAXX」の試走会は、同社名寄テストコースとその周辺の一般道路で行われた。メイン会場となった名寄テストコースは1991年に開設された、乗用車用とSUV用スタッドレスタイヤ開発の専用テストコースである。その総面積は87万m2と、非常に広大。屈指の規模を誇る。

 そこに全長2200kmの圧雪路周回路をはじめ、圧雪と氷盤を有する直線の総合試験路、旋回性能を計測する旋回路、勾配を設らえた登坂路、都市部の交差点に見られるミラーバーンを忠実に再現した市街地模擬路やS字氷盤路を設けている。

 試走会では、このテストコースの周回路と登坂路、総合試験路を主に使用し、氷雪上での高速安定性やブレーキ性能、登坂性能、コーナリング性能などについて感応評価した。

 評価にあたっては「WINTER MAXX」のプロトモデルと従来品「DSX-2」を、同一条件のトヨタ・プリウスに装着し走行、性能を比較するもの。装着タイヤサイズは195/65R15 91Q。テストドライバーとして、ベテランモータージャーナリストの早津美春さんにハンドルを握ってもらい、同乗走行スタイルとした。

 また、一般道ではVW・ゴルフ、ホンダ・フィットなどを使い、雪の深い北海道の道路を実際に走行。1行程20分ほどのドライブを通じて、「WINTER MAXX」のウィンター性能を体感した。

 名寄テストコースの周回路を走る。早津さんは走り始めに注目する。タイヤが路面をグリップすることがハンドルを通じ伝わってくるのだが、新商品のほうがより鋭敏にそれを感じられるという。早津さんはまず、新商品のトラクション性能を高く評価した。次に、圧雪路での高速走行。新旧商品ともに安定感のある操縦で周回を重ねる。

 氷上でのブレーキ性能。コース内に制動をかける目標位置を定め、同一速度でそこに進入したときにフルブレーキをかけ評価した。目視だが、「WINTER MAXX」のほうが手前位置で止まる。このときも前後方向のトラクション性能、停止するときのしっかり感を体感することができた。これと同様に、登坂路での坂道発進でもより強いグリップを体感した。

 ところで、一般のドライバーが冬道で不安を感じるのは、凍った道をコーナリングするときの横滑りに対してではないだろうか。早津さんに実際に、氷上コーナリングで横方向のグリップが抜ける限界がどのくらいの速度なのかを試してもらったところ、新商品のほうが時速5km~10km近く速度が出ていた。それだけ、コーナリンググリップが高いことといえる。

 名寄テストコース周辺での一般道においては、シャーベット状の路面がときおり混じっていたが、シーンを厭わずスムーズに走り切る。氷上性能を“マックスに極める”――それをいかに形にするか。「WINTER MAXX」は、開発関係者たちのそういう思いが詰まった商品だと言える。


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