横浜ゴム「GEOLANDAR SUV」SUV用タイヤにも環境性能を付加

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カテゴリー: レポート, 試乗

「GEOLANDAR SUV」

SUV用タイヤにも環境性能を付加

 横浜ゴムは3月12日、神奈川県中郡の大磯ロングビーチ駐車場で、「GEOLANDAR SUV」のメディア向け試乗会を開催した。

 「GEOLANDAR SUV」は、4WD・SUV向けタイヤ「GEOLANDAR」シリーズの新商品で、都市型SUVを主要な対象車種として市場に投入された。

 その開発のねらいは「YOKOHAMAの低燃費タイヤのトップブランド『BluEarth』コンセプトとの融合」である。ヨコハマが世界へ発信する低燃費タイヤ「BluEarth」のコンセプトと技術をSUV用に進化させ、〝環境+人と社会にやさしい〟SUV用低燃費タイヤとして、横浜ゴムが満を持して発表した。コアのターゲットはクロスオーバーSUVだと、PC製品企画部の相澤幸博部長は説明する。

 相澤部長によれば、SUV車両の販売台数は、世界的に見ると年間900万台前後と、堅調に推移しているという。しかし、その中身を分析すると、従来型SUVと呼ばれる、ラダーフレーム等の頑丈な構造で、オフロード路面にも対応する万能タイプのSUVは年々減少傾向にある。砂漠や泥ねい路などが混在し、クルマに万能な走行性能が求められる一部の地域や、コアなマニア層には人気もあることから、一定のボリュームは保たれているものの、既に成熟しつつあるセグメントだ。

 それに対して、近年、ボリュームを伸ばしているのが、クロスオーバーSUVと呼ばれるオンロード志向の都市型SUVである。ここ数年、欧州や日本のカーメーカーが積極的な開発・販売を仕掛け、日本や欧米の先進市場で好調に販売が推移している。さらに、最近は中国で爆発的な人気を博していることから、グローバルレベルでの自動車市場を牽引する有力分野の一つとみられ、今後さらなる市場の拡大が予想されている。

 このようなクロスオーバーSUVだが、それに装着されるタイヤにはこれまで、静粛性や燃費性能に対する不満が多かったと、タイヤグローバル技術本部タイヤ第一設計部の清水倫生部長は指摘する。

 そういう近年の市場の推移とSUVユーザーの動向を背景として開発されたのが、「GEOLANDAR SUV」だ。清水部長は、「静粛性・快適性を高め、併せて、燃費性能を向上させる。しかも、これまで通り、SUVに対するオールラウンド性の期待もあることから、M+S(マッド&スノー)にも対応すること」を開発の目標としたと説明。「最新のクロスオーバーSUVにフィットする静粛性と安全性を有した、ヨコハマのクロスオーバーSUV用低燃費タイヤだ」としている。

 国内では15インチから20インチの26サイズについて、2月2日から順次発売。その後、グローバルスペックとして、今年から順次、世界各地域で発売する計画だ。

M+S性能は維持 クロスオーバーSUVに対応

「GEOLANDAR SUV」
「GEOLANDAR SUV」

 「GEOLANDAR SUV」の試乗コースは、大磯ロングビーチ・第1駐車場から国道1号線を経て大磯港までの片道4km弱のルート。新商品と現行品「「GEOLANDAR H/T-S G051」との比較評価用にトヨタ・RAV4、新商品のみの絶対評価用に日産・ムラーノ、ボルボ・XC60、フォルクスワーゲン・Tiguanなどがテスト車両として用意された。

 評価にあたっては、同社タイヤ実験部D-PARCチームリーダーの斉藤孝明氏にドライブしていただく同乗走行スタイルをメインに、ボルボ・XC60による絶対評価については筆者が実際にハンドルを握り走行した。

 まず、RAV4での比較評価。新商品の場合、タイヤの転がりはじめの、スッとした出だしがまさしく低燃費タイヤらしい味わいだ。中速で走行中、現行品では高い音域のパターンノイズ、低い音のロードノイズの響きがかなり気になる。ザワザワといつまでも耳に残る、そんな印象だ。それが新商品では大きく変わる。音色そのものが違うし、音圧を言葉通り、音の圧力と解釈するなら、それがかなり低くなった感じだ。車内で斉藤さんと会話するのだが、そのときのお互いの声の明瞭さが、薄いベールに1枚、覆われているのと覆われていないのと、それくらいレベルが異なる。

 国道1号線の、舗装の荒れたザラザラした路面を走行したときの微振動がシート越しに伝わってくるが、そのときの感触は新商品のほうが小さい。道路継ぎ目を乗り越したときのショックの減衰が格段に向上している。

 時速70kmで走行中、レーンチェンジの際、斉藤さんにハンドルを素早く、大きめに切ってもらい、すぐに再び切り返してもらう。車高が高いRAV4が大きくかしぐのだが、新商品はピタッと1回でロールがおさまる。ロール剛性が高いので回復が早い。「ハンドリングのときの応答性が非常に良くなっている」と、斉藤さんが付け加えてくれる。

 その点は、ボルボ・XC60をドライブしたときに、自身の手に伝わるフィーリングでも実感することができた。ハンドルを切ったときの手応え感、タイヤを通じてのクルマの挙動、それがハンドルにしっかりと伝わってくる。

 小さく切ったときにハンドルの〝遊び〟部分が少なく、と言って、シャープに過ぎることもない。コーナリング時のハンドリングがとても安定している。車高の高いSUVでも、安心してコーナーを走りきることができる。

 「GEOLANDAR SUV」は乗用車の感覚そのままにドライブすることができるSUV用タイヤ、そんなフィーリングに仕上がっている。


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