しっかり感と低燃費性両立した東洋ゴムのミニバン用タイヤ「TRANPATH mpF」

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カテゴリー: レポート, 試乗

TRANPATH mpF

ミニバン専用タイヤのニーズを高次元で

 東洋ゴム工業は、ミニバン専用タイヤの新商品として「TRANPATH mpF」を開発し、48サイズを3月1日から順次発売している。この新商品は、1995年、業界に先駆けて発売したミニバン専用タイヤ「TRANPATH mp」から続く「TRANPATH」シリーズの5代目。走りの“しっかり感”を向上しつつ、ミニバン特有のショルダー摩耗を抑制した。また、JATMAの定めるタイヤグレーディングで、転がり抵抗性能「A」・ウェットグリップ性能「b」または「c」を達成し、CO2排出量削減に貢献する低燃費タイヤとして上市されている。同社は7月26日、千葉県袖ヶ浦市の袖ヶ浦フォレスト・レースウェイで「TRANPATH mpF試走会」を開催した。

 「TRANPATH mpF」は、転がり抵抗を低減しつつウェットグリップ性能を確保した低燃費タイヤ。同社のテストによると、従来品「TRANPATH MP4」対比で転がり抵抗が24%も低減したという。そこで試走会では、コーストダウン実験が行われた。

 これはタイヤの転がり抵抗性能を新旧商品で比較することで性能差を知ることを意図したもので、目で見ることができず、からだで感じることのできない転がり抵抗というものを解りやすく表現するメニューだ。台でしつらえた坂道のトップから、エンジンを切りニュートラル状態のクルマのサイドブレーキを解除する。坂による惰性でクルマは走りはじめ、やがて停止するわけだが、そのときに転がり抵抗の低いタイヤのほうがより遠くまで走ることができるのだ。

 二度の実験の結果、従来品「MP4」が停止するまでの距離が120mだったのに対し、新商品「mpF」は146mと圧倒的な差となって表れた。この結果について、開発を担当したタイヤ技術本部の永井邦彦さんは「コンパウンド技術とパターン技術が融合することで、低燃費タイヤとしての性能を発揮することができた」このように説明する。

 「ただ」、永井さんはここで1度、言葉を切る。「mpFの開発でもっとも力を入れたのは、ミニバン専用タイヤとしてどれだけトータル性能を向上させるかという点」。車重自体が重く重心が高いミニバンをコーナーやレーンチェンジのときにふらつかず、ドライバーの意思通りに走らせることができること--すなわち〈しっかり感〉を向上させること。ミニバン用タイヤに見られ勝ちなショルダー摩耗を抑えること。それに雨の日の安全性能を向上させること。

TRANPATH mpF 試走会ではその点を入念に確かめた。1周約2.5kmの外周路でドライコンディションでの直進安定性とハンドリング性能の、また内周路に撒水しウェットコンディションでのグリップ性能とハンドリング性能の、それぞれ評価を行った。タイヤ実験部の投野直水さんがドライブするステップワゴンで外周路、アルファードで内周路を同乗走行する。

 路上に置かれたコーンを目印に高速でハンドリングすると、Gやヨーレートによってステップワゴンは傾き、思い描くコースをトレースするのが難しくなる。「MP4」では投野さんが運転テクニックでそれを修正するが「mpF」ではタイヤがそれを補ってくれる、そんなイメージだ。また「mpF」のほうが車体の傾きの度合いが少なく、傾いてからの回復も早いという印象だ。

 開発コンセプトの一つ『高速走行でのレーンチェンジが思い通りに決まるしっかり感』、その通りに優れた操縦安定性が実現されたといえる。

 ウェットコンディションでもそれは同様だ。アルファードで高速コーナリングすると「MP4」ではアンダーステアが出てコントロールしにくくなるが、「mpF」はグリップが抜けず、路面をつかむ。同社のテストでは、ウェットブレーキ性能は「MP4」対比10%向上したという。

 ドライバーをはじめ、ミニバンを利用する全ての人のストレスをできるだけ少なくすること、これもミニバン用タイヤに課せられた役割の一つに違いない。「mpF」はそれを忠実に果たしていると言ってよい。

しっかり感と低燃費性両立

 「TRANPATH mpF」は、ミニバン専用タイヤとして、〈しっかり感〉の進化と、TRANPATH史上最高の低燃費性能を両立させることをコンセプトに開発。ミニバン特有のショルダー摩耗の発生を抑えることを目指し開発された。それと同時に、低燃費タイヤとして転がり抵抗の低減とウェットグリップ性能の両立を図っているのも、大きな特徴だ。

 構造設計が専門の永井邦彦氏によると、それを実現するためにゴム配合、トレッドパターン、構造の3点に新技術を搭載したという。

 ゴムでは「Newトリプルトレッド構造」という配合技術を開発。①トレッドコンパウンドのOUT側は「アクティブポリマー」を採用しシリカ配合量を最適化することで、転がり抵抗とウェット性能を両立。②IN側にはそれに加えて「ウェット性能重視グリップポリマー」を配合することでウェット性能を向上。③ベースコンパウンドには「低発熱カーボン」と「ハイテクポリマー」を配合した「低燃費ベースコンパウンドVer.mpF」を採用し、高い剛性を維持したまま転がり抵抗を低減した。

 パターンは、リブを基調とした「高剛性非対称パターン」を採用。OUT側で操縦安定性を重視し、IN側で操縦安定性とウェット性能を両立するデザインとしたことで、高次元のハンドリング性能を実現した。

 構造では、「高硬度プライトッピングゴム」の採用により運動性能を向上。さらに、FEM解析による最適プロファイルとサイズ別に最適化した構造設計によって、低燃費性能を発揮し、コンパクトクラスから最上級クラスまで、優れた操縦安定性と上質な乗り心地を実現したとしている。


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