ドライ性能と快適性を追求 東洋ゴム工業「PROXES 1」試乗レポート

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カテゴリー: レポート, 試乗

PROXES 1 

ドライ性能と快適性を追求

 東洋ゴム工業が6月1日に発売を開始したウルトラ・ハイ・パフォーマンスタイヤの新商品「PROXES 1」。欧州、米州の並みいるスーパースポーツカー、高性能車をメインターゲットとしたPROXESブランドのニュー・フラッグシップタイヤだ。東洋ゴム工業とトーヨータイヤジャパンが発売直前の5月25日に、神奈川県小田原市のTOYO TIRESターンパイクで開催したプレス向けの試走会で、その性能を体感した。

 「PROXES 1」の商品特徴は、“PROXES最高レベルのドライパフォーマンス”。タイヤ技術本部タイヤ技術第一部商品開発グループ担当リーダーの上田隆一氏は、高いパフォーマンスを得るために、フロントサイズとリアサイズで専用設計にしたと説明する。

 パターン設計では、フロントはコーナリングとブレーキ性能を重視し、リアはグリップの安定性を向上させることに特化した。トレッド構造は、フロントをトリプルトレッド構造、リアをシングルトレッド構造とし、部位によって異なる種類のコンパウンドを使用。シリカを増量することで、グリップ力の向上を図った。またスチールベルトには新工法のトゥルフォームテクノロジーを採用することで、路面の接地性を向上させた。

 この一連の技術により、ドライハンドリングとドライブレーキングが飛躍的に向上。全6サイズの速度記号をYレンジ=時速300km以上とした。

強いグリップ力を確保

 今回の試走会では、ポルシェ・911カレラSとアウディ・R8 4.2T FSIクワトロの2台のスーパースポーツカーがテストに供され、上り坂と下り坂のコースをそれぞれ試した。タイヤサイズは両車とも、フロントが235/35ZR19 87Y、リアが295/30ZR19 100Y。なお今回の試走は、同社パネラーのドライブに同乗する形で行った。

 まずはアウディR8で、ビューラウンジから下りのコースを試す。走り出して最初に感じたのが、静粛性の高さだった。荒れてヒビの入ったアスファルトの路面を走っても、不快な騒音が気にならない。徐々に車速を上げていっても、ロードノイズが明らかに低く抑えられていた。コーナリングも終始安定し、路面に吸いつくよう。

 ハンドリングの印象について、ドライバーのタイヤ営業本部タイヤ技術サービス部商品担当グループ長の菅野淳一氏に聞いてみると、「まず、ステアリングを切り始めたときの反応がダイレクトで、レスポンスが良い。これはゴムのよれを少なくしたことが効いている。スポーツタイヤによっては、グリップを出すためにゴムを柔らかく作るものがあるが、それだとステアリングを切った際にタイヤが後で付いてくる感じが残ってしまい、応答が遅れる。程良くよれを抑えるゴムの固さで、強いグリップ力を確保した」と解説する。

 乗心地では、道路と橋の継ぎ目を越えた際、段差突き上げの衝撃に不快感はなかった。これについては、「トレッド面とサイドウォールの固さのバランスで、レスポンスのしっかり感としなやかさを両立させた。このチューニングが非常に難しかった」と開発の苦労の一端を示す。さらに時速200キロ以上の超高速域でも、「急なレーンチェンジをしても、タイヤが遅れてくるような不安は全然感じない。また、この速度域でも音が静か」と仕上がりの良さは折り紙付きだ。

 テストカーをポルシェ911に乗り換え、上りのコースへ。「今回の『PROXES 1』は、開発にポルシェ911を使用して熟成させた」とあって、そのパフォーマンスが気になるところだ。ドライバーは、タイヤ実験部タイヤ試験場実車試験担当課長代理の奈須祐二氏。

 装着した印象について奈須氏は、「レスポンスがスムーズ。市販車の場合はレーシングカーと違って、あまりクイックにすると扱いにくくなる。特に長時間ドライブすると、疲れにくさといった快適性が重要になってくるが、上手く仕上がった」と満足そうに話す。

 またリアエンジン・リアドライブの911は、その独特な重量バランス特性からハンドリングの扱いが難しいはず。その疑問を投げかけると、「確かにクセは少しある。でも、ウェットでグリップが抜けるということはないし、ある程度までの限界を保ちながらこれ以上いくと危ないというインフォメーションがしっかり伝わってくるので不安はない。ドライバーにインフォメーションがきちんと伝わるということは、タイヤがしっかりといい仕事をしている証拠である」と自信をのぞかせた。

 今回試乗した2つの車両はともにスーパースポーツカーとあって、騒音や乗り心地の固さについては差し引いて考える必要があるが、高い走行性能を確保しつつ快適性を犠牲にしないところに、「PROXES 1」のプレミアム性が見てとれた。これならばメルセデス・ベンツのAMGや、BMWのMモデルなどのハイパワーエンジンを載せたスポーツセダンに装着しても、乗り心地と走りの両面で満足できるだろう。


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