ブリヂストン「ECOPIA EX10」新技術“エコトライアングル”を体感

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カテゴリー: レポート, 試乗

ECOPIA EX10

新技術“エコトライアングル”を体感

 ブリヂストンは1月13日、乗用車用環境タイヤの新商品「ECOPIA EX10)」を発表した。同社は2008年4月、環境タイヤ「ECOPIA」ブランドのプレミアム商品として「ECOPIA EP100」を上市、ブリヂストンの環境技術の高さを象徴する商品となった。それを今回、スタンダードレンジ向けに開発し、「ECOPIA」シリーズの普及版としてリリースする。同社のスタンダードタイヤ「B’STYLE EX」と比較して転がり抵抗を25%低減、ウェットグリップ性能を14%向上、低燃費と安全性を両立させた。本ページでは、「ECOPIA EX10」に採用された基幹技術の紹介と、同日行われた試乗会の模様をレポートする。

 「ECOPIA EX10」では、転がり抵抗やウェットグリップといった環境・安全性能を向上させるために3つの新技術、すなわち“エコトライアングル”を採用した。

 その“エコトライアングル”の1つ目は、ナノレベルから原材料の分子設計を行い、ゴムのナノ構造を制御することで、必要な物性を引き出す材料技術「NanoPro-Tech」である。転がり抵抗低減とウェットグリップ性能を向上させるためにはシリカの配合が有効であるが、そのシリカ分子と結合する末端変性ポリマーを採用することで、シリカが凝集してできる大きな塊をゴムの中で分散させることができた。これにより、シリカ同士が擦れ合ってできる余分な発熱--エネルギーロスを抑え、転がり抵抗を低減させることが可能になった。

 2つ目はタイヤが転がる際に発生する歪みを抑制する「エコ形状」。サイド部の形状を丸くすることで、タイヤ内部の転がり抵抗成分(歪エネルギーロス)を低減。同時にショルダー部の偏摩耗(肩落ち)を抑制するため、ブロックを路面に水平に接地させる水平接地形状を採用した。こうした転がり抵抗予測、摩耗ライフ予測といった最新のシミュレーション解析・予測技術を駆使することにより、タイヤの形状、構造、パターンの最適な設計が可能になった。

 3つ目は「重量バランスの最適化」。部材ごとの重量バランスを最適化することにより、転がり抵抗を大幅に低減させた。こうした一連の技術により、従来モデル(B’STYLE EX)比で転がり抵抗が25%低減、ウェットブレーキが14%短縮した。

体感試乗会を開催

体感試乗会
体感試乗会

 発表会と同日、東京・お台場の別会場をベースにメディア向けの体感試乗会が開かれた。ここでは実車の試乗だけでなく、転がり抵抗を可視化・体感するためのデモンストレーションもあわせて行なわれた。

 「ECOPIA EX10」を装着した実車による公道試乗では、トヨタ・プリウス(195/65R15 91S)とホンダ・インサイト(175/65R15 84S)で試すことができた。会場の街路区周辺の短い距離を時速20~50kmで一周する試乗であったため、体感したインフォメーションは極めて限定的であった。その中で騒音と振動についての印象は、ごく一般的なスタンダードレンジのタイヤと言えるもので、エコタイヤだからという理由で何か我慢をしなければならないようなものは感じなかった。

 会場内スペースで行なわれた転がり抵抗体感デモでは、スロープからエンジンを切った状態の車を転がして空走距離を比較することで、従来モデルとの転がり抵抗の違いを証明した。試験車両はフォルクスワーゲン・ゴルフⅥで、タイヤサイズは195/65R15 91H。規定により具体的な距離の数値は明らかにされなかったが、およそ車両2台分の差が出た。

 開発を担当した同社タイヤ開発第2本部PSタイヤ開発第1部長の山岸直人氏に話を聞いた。開発で一番苦労した点として、転がり抵抗低減とウェット性能向上をいかに両立させるか、そのすり合わせが一番難しかったという。試行錯誤の結果、今回の「ECOPIA EX10」では転がり抵抗25%低減、ウェット性能14%向上と、両面で上手くバランスのとれたものができ上がった。

 市場の要望の違いとしては、欧州がウェット性能重視であるのに対し、日本が転がり抵抗重視で、こと低転がり抵抗に関しては、日本が一番リードしている。その中でも「ECOPIA EP100」を頂点とした「ECOPIA」シリーズは、低転がり性能では世界中でトップにあると自負しているとのこと。「ECOPIA EX10」を輸出させる計画は今のところ無いものの、培った技術はグローバル展開させていきたいと、意気込みを語った。


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