15年−24年JATMA統計データ(2)  10年間の市販用夏冬タイヤ品種別販売推移  ピークは17年。コロナからの回復にぶく

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オールシーズンタイヤのサイドウォール部=イメージ
オールシーズンタイヤのサイドウォール部=イメージ

 JATMA(日本自動車タイヤ協会)が公表した、2015年から24年まで10年間の自動車タイヤ・チューブ生産販売実績データ。本紙では前回に引き続き、10年間の推移をグラフと表で可視化した。今回は市販用タイヤ夏冬用別販売本数実績にフォーカスした。

 

 前号で市販用タイヤ販売本数実績の10年間の推移を〈グラフ〉と〈表〉で示した。これはトラック・バス用と小形トラック用・乗用車用の3品種を合算した四輪車合計に、建設車両や産業車両、農機、二輪車、運搬車の各用途を足した「合計」の統計数値。今回は主要3品種と四輪車合計の推移をみる。

タイヤ統計10年間夏冬別推移_タイヤ統計10年間夏冬別推移
タイヤ統計10年間夏冬別推移_タイヤ統計10年間夏冬別推移

 この10年間で四輪車合計の総本数が最も多かったのは2017年。7172万3千本(前年比2.6%増)。コロナ禍からの経済の回復状況を推し量るうえでベンチマークとなる19年は7046万6千本(同1.6%減)。逆に最も少なかったのはコロナ感染拡大期に突入した20年で6289万本(同10.8%減)。

 21年6753万1千トン(同7.4%増)、22年6994万トン(同3.6%増)と反転し、7000万トン台への復活に期待がかかった。しかし23年、24年と2年連続で前年実績を割り込んだ。

 四輪車合計・夏用タイヤ販売本数も同じような傾向を示す。この10年間でのピークは17年で4742万本(同0.3%増)。19年は4669万7千本(同1.9%増)。20年は4268万8千本(同8.6%減)。直近の24年は4320万4千本(同1.5%増)。

 四輪車合計・冬用タイヤ販売本数は18年が最多。2578万7千本(同6.1%増)。20年は10年間で最少の2020万2千本(同15.0%減)。24年はそれに続き2番目に少ない2118万3千本(同6・8%減)。

 最近、存在感を強めているオールシーズン用タイヤは統計では夏用タイヤに含まれる。これが夏用タイヤ販売量をどの程度押し上げるのか、関心がもたれる。一方で、冬用タイヤは降雪量や降雪の時期といった要因により販売量が大きく左右される。経済動向に加え、気候変動の行方を注視する必要がある。

タイヤ統計10年間夏冬別推移_タイヤ統計10年間夏冬別推移
タイヤ統計10年間夏冬別推移_タイヤ統計10年間夏冬別推移

 なお、市販用タイヤの夏冬販売本数推移を品種ごとに〈グラフ〉で表した。夏冬総本数は「棒グラフ」、夏用タイヤは「折れ線グラフ実線」、冬用タイヤは「折れ線グラフ破線」で示した。

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