円高響きタイヤ事業減収に、国内4社の1~9月期決算

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カテゴリー: ニュース

 国内4社の2016年1月~9月期決算が出揃った。タイヤ販売数量の増加や原材料価格の下落などプラス要因があったものの、タイヤ事業は全社が対前年比で減収減益となった。収益を押し下げたのは為替円高で、営業利益段階ではブリヂストンが480億円、住友ゴムが55億円、横浜ゴムが140億円、東洋ゴムが84億円のマイナス要因となった。また東洋ゴム工業は免震ゴム問題の特別損失を計上したことで通期の業績見通しを引き下げた。

ブリヂストン ORや北米でのTB販売が苦戦

国内4社の第3四半期決算
国内4社の第3四半期決算概要

 ブリヂストンの第3四半期連結決算は売上高、営業利益、経常利益のいずれも2ケタ減となった。為替円高に加え、北米でのトラック・バス用タイヤの販売減や建設・鉱山車両向けタイヤの需要減などが主な要因。

 タイヤ部門の売上高は前年同期比15%減の2兆130億円、営業利益は13%減の3003億円。乗用車・小型トラック用タイヤの販売本数は、日本が前年並みで推移したが、北米や欧州、中国・アジア・大洋州が対前年比でプラスとなった。

 一方、トラック・バス用タイヤは欧州や日本などが好調だったものの、北米では新車用の販売減が響いて前年を下回った。また建設・鉱山車両用タイヤの販売量は在庫調整などの影響でマイナスとなった。

住友ゴム 減収も営業利益は前年並みに

 円高進行で減収となったものの、原料安が寄与したことなど営業利益は前年並みを確保した。また米グッドイヤーとのアライアンス解消に伴い、欧米の合弁会社からの持分利益がなくなったため、経常利益、純利益ともに前年割れだった。

 タイヤ事業の売上高は5.0%減の4806億9600万円、営業利益は7.8%減の377億1400万円と減収減益となった。

 タイヤ販売量は8091万本と3.7%増加した。このうち、国内市販用はスタッドレスタイヤの早期展開に努めたことなどにより、販売数量、売上高が前年を上回った。一方、新車用は自動車生産台数の減少で前年水準を下回った。

 海外販売は数量ベースでは市販用、新車用ともにプラス。市販用は欧米や中近東やアフリカ、中南米などで伸ばした。

横浜ゴム ATG社の売上高は想定通りに

 タイヤ事業の売上高は11.0%減の3105億円、営業利益は25.8%減の166億円だった。需要低迷や価格下落などに加え、円高による為替変動が収益を圧迫した。

 国内市場では、市販用は販売量、売上高が前年比マイナスとなったものの、高付加価値商品の販売を強化した結果、商品MIXの改善により増益を確保した。海外市場は欧米などで堅調だった。

 なお、当四半期から連結対象となったATG社(アライアンス・タイヤ・グループ)の業績は、買収後の2016年7月から9月における売上高が129億円。営業利益は株式取得関連費用の計上やのれんなどの償却により28億円のマイナスとなった。

 同社では「農機市場の需要低迷と価格競争が激化する中、積極的な販売活動により販売量、売上高は想定どおりに推移した」としている。

東洋ゴム 特損で通期予想を下方修正

 東洋ゴム工業の第3四半期決算は免震・防振ゴム問題で製品補償対策費及び製品補償引当金繰入額などを特別損失として約229億円を計上したことで、純利益は75億8700万円(前年同期は43億1500万円の赤字)となった。

 タイヤ事業の売上高は7.6%減の2217億5700万円、営業利益は26.3%減の321億8700万円だった。新車用は国内外で好調に推移したため、販売量、売上高ともに前年を上回った。一方、市販用は海外では欧米を中心に販売量を伸ばしたものの、円高の影響で減収となった。国内市販用は販売量、売上高ともに前年並み。

 通期の業績予想は円高の進行や第3四半期に特別損失を50億9100万円計上したことなどにより、前回予想から下方修正した。売上高は前期比6.8%減の3800億円、営業利益は30.6%減の440億円と従来予想からそれぞれ150億円、80億円引き下げた。


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