TOYO TIREがTBタイヤ作業コンテスト  増し締め来店の呼び掛け重点に

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カテゴリー: ニュース
作業コンテスト
作業コンテスト

 TOYO TIREは9月11日〜12日、群馬県交通運輸会館でトラック・バスタイヤ作業コンテストを開催した。報道陣に公開した12日の実技テストでは、大型トラクターヘッドの左リアタイヤのナットが緩んでいると仮定して、ホイール・ナットの点検、増し締め作業の再入庫日を決めるまでの一連の作業を審査。増加傾向にある脱輪事故の防止が、実技テストのポイントのひとつとなった。

 

 

 14人の選手が出場。作業に集中し技能競う

 

ドライバー役との接客ロールプレイング
ドライバー役との接客ロールプレイング

 コンテストには全国の直営店、FC店から14人の選手が出場した。

 同社にはサービスクルーを対象とした独自の資格制度がある。資格は3段階となっていて、コンテストへの出場にはサービスクルー研修を受講して「サービスエンジニア」を得ていることが条件だ。

 コンテストで社内規定以上の成績を収めると2段階目の「サービスエキスパート」、コンテスト優勝・準優勝者には最上位の「サービスマスター」の称号が付与される。

 午前・午後に分かれて行われた実技テストでは、各選手が緊張の面持ちを見せながらも、安全面に配慮しながら集中して作業に取り組み技能を競った。

 

 さらなる品質の向上へ、クルーの役割は大きく

 

コンテストの意義を説明するトーヨータイヤジャパン幹部
コンテストの意義を説明するトーヨータイヤジャパン幹部

 今回の実技テストで特に重点を置いたのが「増し締め」だ。脱輪事故が近年増加傾向にあることがその背景にある。

 JAFの23年度のロードサービス救援統計によると、タイヤに関連したトラブル・出動件数は一般道では41万4869件、高速道では2万5432件、いずれも前年比で6%増だ。

 脱輪事故も増加傾向にある。国交省の資料では、2022年度は140件発生し、前年度よりも17件増となった。これらの脱輪事故の約86%は脱着作業から3カ月以内に発生。車輪脱落箇所は左リアタイヤが94%を占めた。

 トーヨータイヤジャパン執行役員の林浩明・生産財販売統括部長はこれらの状況を踏まえて「事故防止には脱着作業後50~100キロ走行後を目安にした増し締め作業、日ごろの運行前点検実施の周知徹底が重要だ」と指摘する。

 こういった安全への強い思いはサービスクルーにも共通する。取材に応じたトーヨータイヤジャパン長野販売部の上原楠宜氏は「1社だけではなく、業界全体で取り組むべき問題なのでは」と提起していた。

 

 最優秀賞はTTJ宮城販売部の佐藤秀徳氏

 

表彰式・最前列の右側佐藤氏/同左側上原氏
表彰式・最前列の右側 佐藤氏/同左側 上原氏

 表彰式は14人の選手が拍手で迎えられてスタート。最優秀賞はトーヨータイヤジャパン宮城販売部の佐藤秀徳氏(写真下・最前列の右側)、優秀賞には長野販売部の上原楠宜氏(同左側)が選ばれ、新たな「サービスマスター」となった。南大阪販売部の伊予本勝氏が一定以上の成績を収めたとして、2つ星の「サービスエキスパート」に認定された。

 トーヨータイヤジャパンの山邊憲一社長は2日間を戦い抜いた選手たちをねぎらうとともに、今回のコンテストが「さらなるサービスクルーの技術、サービス品質の向上へのきっかけにしてほしい」と呼びかけた。

 同社が定める7つのマテリアリティ(重要課題)の土台に据えるのは「モノづくりの根幹(品質と安全)を守り抜く」。社会課題となる脱輪事故の防止に向けて、一人ひとりのサービスクルーの役割は大きい。


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