ブリヂストン、共感から共創を生み出す「イノベーション・パーク」本格稼働

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カテゴリー: ニュース

 ブリヂストンは4月21日、東京都小平市の「ブリヂストン・イノベーション・パーク」(BIP)内にイノベーションセンター「B-イノベーション」とテストコース「B-モビリティ」を新設し、BIPの本格稼働を開始した。坂野真人グローバルCTOは「モビリティの大変革期において、今変わらなければ将来はないという思いで小平地区の再構築を断行した」と話す。

東COO
東COO

 4月21日に開催したオープニングイベントで東正浩グローバルCOOは、「当社が皆様と共創したい価値として示した『ブリヂストンE8コミットメント』をどこでどのように作っていくのか――それを具現化した」とBIPを紹介した。

 ブリヂストンE8コミットメントは、「カーボンニュートラルなモビリティ社会の実現を支えることにコミットする」といった8つ方向性や価値をまとめたもの。パートナーと共にこれらの価値を創出し、持続可能な社会の実現へ貢献することを目指している。

 これを経営の軸とするブリヂストンがBIPに期待するのは、様々なステークホルダーから同社への共感を得て、共議・共研・共創へと関係を深めていくことだ。

 BIP内で一昨年に先行オープンした「ブリヂストン・イノベーション・ギャラリー」は、同社の歩みやビジョンなどを紹介し、共感を生み出す場と位置づけている。

坂野CTO
坂野CTO

 新たに開設した「B-イノベーション」は、共感を共創につなげる狙いがある。施設内では、商品やコア技術を展示し、パートナーとの議論やアイデアを膨らませる様々な仕掛けを取り入れた。実際に手に取ることができる展示品や、技術を分かりやすく説明する動画、アイスブレイクとして用意したゲームなどが該当する。さらに、工作機械を準備したエリアや社外のパートナーが利用できるオフィスなども設けた。

 「B-イノベーション」の隣には、テストコース「B-モビリティ」を新設。ここでは新たに開発した技術や商品のプロトタイプを実車で体感、検証することが可能だ。坂野CTOは「生み出したアイデアをすぐ形にし、すぐに試す。これを繰り返しながら、これまでより更にスピード、柔軟性を持ったアジャイルな開発を実現していく」と、その意義を強調する。

 またBIPは、イノベーションの加速に向けて働く場と働き方・意識を一体的に変革する役割も担う。

 例えば「B-イノベーション」では、開放的なコワークスペースや集中して業務に取り組むことができる場所を用意し、多様な働き方に対応。さらに、隣接するテストコースを開設し、効率的な研究開発を可能にした。こうした改革にあわせ、自主性を尊重する組織風土の変革にも取り組んでいるという。

B-イノベーションの内部
「B-イノベーション」の内部

 坂野CTOは「部門の壁や縦割りを打破し、『みんなでここに集まってプロジェクトを進めよう』というコンセプトでBIPは作られている」と説明し、「効率化や意識そのものが変わる――これによって、従来技術の進化が加速する面と全く新しいものが生み出されることを期待している」と話していた。

 さらにBIPは、イタリアや米国の技術センターとも連携。各拠点の強みを活かし、グループ全体でイノベーションを加速していく計画だ。

 ブリヂストンの技術開発拠点として、半世紀以上の歴史を持つ小平地区の新たな一歩に注目が集まる。


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