海外でタイヤリサイクルの動き活発に 新たな研究も

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カテゴリー: ニュース

米タイヤ製造者協会がゴムアスファルトの評価研究プロジェクト

 米タイヤ製造者協会(USTMA)は12月2日、非営利のプルービンググランドであるザ・レイと提携し、粉砕タイヤゴム(GTR)を使用したアスファルトの性能や環境への影響、利点に関する既存の研究を評価し、編集するためのプロジェクトを実施すると発表した。2021年春に研究結果を報告する予定となっている。

 USTMAでは、「このレポートは、将来有望な技術の発展と未来の研究の道標となる」としている。ゴムアスファルトは従来のアスファルトよりもひび割れやわだちが発生しにくく、長期的なコスト削減につながるという。

 また、アリゾナ大学の研究では、ゴムアスファルトは静粛性が高いほか、雨天時のグリップが優れ、水しぶきの発生が少ないことが判明している。さらに、従来の舗装道路に比べて摩耗粉塵の量が半分になるなど環境面でもメリットがある。

 同協会では「廃タイヤをリサイクルしてゴムアスファルトに活用することは、タイヤと路面の摩耗粉塵を削減し、循環型経済を発展させる費用対効果の高い方法だ」と指摘する。

 将来の交通インフラを変革するアイデアやテクノロジーの試験を行うザ・レイは、「廃タイヤは全国で再加工され、静かで長持ちする性能の高い道路になる」としている。

タイヤリサイクル企業とカーボンブラックメーカーが協業

 米タイヤリサイクル企業のボルダー・インダストリーズと米カーボンブラックメーカーのコンチネンタル・カーボン・カンパニー(CCC)は11月17日、ゴム・プラスチック業界向けの持続可能なカーボンブラックの供給で協業すると発表した。

 CCCのカーボンブラック製品に、ボルダー社の再生カーボンブラック「ボルダー・ブラック」を様々な比率で調合して販売する。廃タイヤやゴムのスクラップから製造するボルダー・ブラックは新品のカーボンブラックを代替でき、製造時のCO2排出量および水や電気の使用量を新品製造時に比べて削減できるという。

 ボルダー社は「タイヤメーカーや工業ゴム製品およびプラスチックメーカーへのユニークなソリューションを大規模に提供できる」とコメントした。また、CCCでは「ゴム・プラスチック業界にとって有益で持続可能な将来に向けて重要な一歩になると確信している」としている。

ノルウェーのタイヤリサイクル企業 米コンサル会社と提携

 ノルウェーのタイヤリサイクル新興企業、ウェイストフロント社は11月25日、持続可能なエネルギー分野のコンサルティング企業の米デヴァルテック社と提携すると発表した。デヴァルテック社は、2023年に英サンダーランドで完成予定のウェイストフロント社の廃タイヤリサイクル工場を皮切りに、今後5年間リサイクルプロジェクトをサポートする。

 ウェイストフロント社は、廃タイヤから液体炭化水素やカーボンブラックなどを生成する技術を有しており、代替燃料や粒状ゴムの生産に再利用できる。


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