日本ミシュランタイヤ「新常態」へ向けて社内改革を加速

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カテゴリー: ニュース

 日本ミシュランタイヤは新型コロナウイルスがもたらした「ニューノーマル(新常態)」への対応を加速させる。ポール・ペリニオ社長をトップとする委員会が中心となり、全従業員が参加するオンライン会議を毎週開催して情報共有を緊密にしつつ、組織体制の変革に取り組んでいる。

オンライン会議に参加するポール・ペリニオ社長
オンライン会議に参加するポール・ペリニオ社長

 同社は感染拡大が見られた当初から従業員と顧客の安全を最優先にする方針を決定していた。こうした中で、「未曽有の危機の後、消費者の意識も大きく変わり、以前の状態にそのまま戻ることはない」(同社)と想定し、対外的なコミュニケーションを含めて「新しい働き方」にシフトしていくための検証を始めている。

 具体的にはオフィスの出社人数に制限を設けて、当面は10~25%、有効なワクチンや治療薬が開発されるまでは50%を上限としてテレワークを継続する。営業部門ではオンライン商談を推奨し、状況を見ながら訪問活動を再開するほか、インターネットによる受発注システムや携帯端末からの在庫検索など、デジタルツールの有効活用を推進していく。また、従来はハンコや署名などが必要だった書類のデジタル化、承認書類のペーパーレス化には全社を挙げて取り組む方針だ。

 一方で「お互いの呼吸が重要なミーティングなど、実際に会って話すコミュニケーションの重要性も認識した」としており、今後はデジタルと対面、それぞれの利点が最大限活かされるような仕組みを模索していく。

 オンライン会議では経営陣のほか、社員の8割にあたる約500名が常時参加しているという。自由に質問ができるようになっており、出された意見を参考に就業規則の変更も検討していく。

 ペリニオ社長は本紙の取材に対し、「この危機を通じてお客様や取引先、社員の連携を改めて確認している。今回の教訓を学びとし、全社一丸となって一層お客様の役に立てるよう進化していく」と将来への展望を話している。


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