コロナ禍の社会支える タイヤ・ゴムメーカーがCSR活動を推進

 社会生活に大きな影響を及ぼしている新型コロナウイルス。緊急事態宣言が解除されて日常は戻りつつあるが、今も感染症の危険に対峙しながら人々の生活を支えるため、最前線の現場に立ち続ける人々がいることを忘れてはいけない。タイヤ関連企業も様々なノウハウを活かしつつ、エッセンシャルワーカーや円滑な日常生活を支える取り組みを広げている。

 今回のコロナ危機により、市民生活や医療現場で物資不足が深刻化している。これに対し自らの資産を活かして迅速に対応したのがブリヂストンや住友ゴム工業だ。

ブリヂストンマスク寄贈
マスクを寄贈した佐賀県・鳥栖工場の八巻一彦工場長(左)と鳥栖市の橋本康志市長(ブリヂストン提供)

 過去に業務用マスク生産の経験があるブリヂストンは、グループ会社が持つ生産ラインを活用して早期に簡易マスクの生産をスタートした。国内の生産拠点がある17市区町に、合計30万枚を寄贈する活動が進んでいる。

 同社がCSR体系として掲げているのが「Our Way to Serve」という指針だ。モビリティに加え、環境や一人ひとりの生活といった分野も価値を創出する領域とされており、今回の取り組みでも「『最高の品質で社会に貢献』という我々の使命や『Our Way to Serve』の考え方が基本にある」(広報部)という。

 同社はグローバルでCSR活動を展開しており、今回は緊急車両やデリバリー車両のメンテナンスなど、タイヤメーカーならではの支援も行っている。

 産業品事業で従来からゴム手袋を手掛けてきた住友ゴムは、政府から要請を受けて強度・耐油性・耐薬品性に優れるニトリルゴム手袋を寄付した。医療現場でも多く使われるタイプで、タイの協力工場で生産したという。

 JSRは子会社のパートナー企業から提供された医療用マスクと防護服を医療機関に寄贈すると発表した。さらに、「共同研究を進める大学の医学部への支援を通じて、有効な治療方法の早期開発に貢献したい」(同社)と、一層の支援に取り組む考えを表明している。

eスポーツイメージ
トーヨータイヤが協賛したオンラインゲームの様子(同社提供)

 一方、サービスやソフト面で独自の支援に乗り出したのがTOYO TIRE(トーヨータイヤ)だ。5月に特別協賛した「Jリーグeスポーツ・オンライン」は、現役選手がプレイヤーとなり、自宅からバーチャルゲームで対戦するもの。“ステイホーム”が呼び掛けられた中、同社は「TOYO TIRESプレゼンツとして『エンジョイ・アット・ホーム』のひと時を提供したい」と協賛の理由を説明している。

 また同社は、医療現場の最前線に立つ人々に手作りの料理を届けるという有志による企画「スマイル・フード・プロジェクト」も支援した。料理には感謝の気持ちを示すメッセージが添えられたという。日本ミシュランタイヤもこの企画に協力するなど多くの企業がその趣旨に賛同、助け合いの輪が広がった。

 コロナ禍では、物流も必要不可欠なサービスとしてその重要性が改めて示された。「eコマースや宅配用ライトトラック向けの新規需要創出が見られる」(ブリヂストン)との見方もあり、どのような状況であってもクルマは社会を支える重要なインフラの一つだ。

 こうした中、ブリヂストンは「ソーシャルワーカーや一般の方が車のメンテナンスをなるべく人と接触せずにできれば、安全・安心に使用できる」との理由から一部直営店で、ドライブスルーで無料点検を受けられるサービスや電話商談を展開した。住友ゴムの直営店でも来店予約の推進や時短を図った接客に取り組む。一部店舗で実施しているドライブスルー点検は、これから全国展開を検討している。

 コロナウイルスの収束時期は見通せず、様々な課題は長期化が懸念されている。一方で、“ウィズ・コロナ”とも言われる時代は、従来にない新しいサービスが生まれ、需要を取り込む動きも始まっている。各社の取り組みが社会の下支えとなり、今後一層広がっていくことに期待したい。


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