伊ピレリは2月19日、3カ年の経営計画を発表した。最終年度の2022年に売上高は58億ユーロ(約7076億円)、調整後EBIT(利払い・税引き前利益)率は18~19%を目指す。2019年業績比(暫定値)でそれぞれ5億ユーロ、0.8ポイント以上の成長となる。
今回の計画では引き続き高付加価値タイヤに注力し、18インチ以上の大口径タイヤの販売数量は、年平均で市場水準の6%を上回る9%の伸長を計画。これにより、最終年度の売上高に占める割合は2019年比で6ポイント増の73%を見込む。一方、スタンダードセグメントは17インチクラスに集中させ、事業縮小を継続するほか、製造コスト削減を目的にロシアや中南米の拠点を活用する。
工場再編や製品ラインアップの最適化に加え、デジタルトランスフォーメーションを通じて組織改革や販売費、一般管理費の改善も進め、3カ年で5億1000万ユーロのコスト削減を図る。
また、2022年にはグローバルで18工場を配置し、先進技術を活用。さらに、2025年までに電力の100%を再生可能資源由来とし、2030年までにカーボンニュートラルを目標とするなど環境負荷低減も推進する。
同社は2015年に中国化工集団(ケムチャイナ)に買収された。近年は、高付加価値タイヤの販売比率を高めるための戦略を積極化している。