「2020年、新たな道を」トーヨータイヤの清水社長が会見

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 TOYO TIRE(トーヨータイヤ)の清水隆史社長が12月3日に兵庫県伊丹市の本社で会見を行った。今年の取り組みを振り返るとともに、“新しい道づくりの年”と位置づける2020年に向けて、「チャレンジの一つひとつを結実させて新しい成長戦略を確実なものにしていきたい」と抱負を述べた。

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清水社長

 清水社長は今年を振り返り、「健全なガバナンスで、各組織が一つの方向に向かって有機的に機能し合う体制が整ってきた」と評価した。

 同社が昨年末に掲げていた2019年のテーマは“第二の創業”。1月1日付けで社名を「TOYO TIRE」へ変更し、モビリティ事業を中核に据えた企業へ発展していく姿勢を打ち出した。

 今年は同社にとって成長の源泉となっている北米市場で、ピックアップトラックや大型SUV向けの大口径タイヤの生産能力を拡充させたほか、秋にはマレーシア工場で新たな生産棟を竣工。さらに、欧州での新たな生産拠点の建設を決定し、11月には現地での研究開発体制をスタートしたこともトピックだ。

 清水社長は一連の施策について「タイヤ供給の新たな世界地図を描いていくためのもの」とその意義を話し、「成長のために強みを補強して弱みを克服していくこと、さらに持たざる強みを活かして機敏に対応することが羅針盤になる」と述べた。

 販売面では得意のSUV用タイヤで拡販につなげ、日本市場でもラインアップを拡大した。これにより、同社のグローバル販売本数に占めるピックアップトラック/SUV/CUV用タイヤの構成比率は、中期経営計画で掲げていた目標を上回る41%に到達したという。国内でもSUV人気が本格化していることから、「引き続き商品開発に注力するとともに、補修市場でのトレンドを作り出していきたい」(清水社長)としている。

 また、10月1日にトラック・バス用タイヤ事業の強化を目的に生産財タイヤの専門部隊を編成。生産財は同社が元々得意としてきたカテゴリーで、営業体制の強化と質向上を進め、シェア向上を図っていく考えだ。

 同社は目指すべき姿として、この数年間、毎年テーマを設定しており、来年のテーマは“新しい道づくりの年”とした。清水社長は「確実に安定した道はどこにもないが、こういう時にこそイノベーションの芽が生まれ、そのチャンスを活かした新しい価値が時代の潮流を作る」と語り、「未来に向けてチャレンジの一つひとつを結実させる」と意気込む。

 同社は2020年に創業75周年を迎える。三菱商事との業務提携やグローバルでの生産・販売体制の強化など、下地は整いつつある。これらを最大限に活用しながら成長を確実なものにしていくことが期待される。


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