国内タイヤ4社の2019年業績 需要減響き全社が下方修正

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カテゴリー: ニュース

 国内タイヤ4社の2019年1~9月期決算が出揃った。国内市販用タイヤは値上げや消費増税前の駆け込み需要で販売を伸ばしたものの、海外市場の景気減速を受けてタイヤ需要が想定より減少したことや為替円高などの影響を受けた。今後も厳しい需要環境が予想されることから4社すべてが通期の業績予想を下方修正した。

ブリヂストン アジア経済の減速を懸念

国内4社の決算概要
国内4社の1~9月期業績と通期予想

 ブリヂストンの第3四半期業績は減収減益となった。為替円高や中南米を中心とした新興国通貨の下落があったほか、米州やアジアでのタイヤ販売が減少した。

 タイヤ事業の売上高は前年同期比1%減の2兆1987億円、営業利益は11%減の2481億円だった。各市場で売値改善は進んできたものの、需要減をカバーしきれなかった。また、所在地別では日本市場は駆け込み需要の影響で7~9月期に販売を大きく伸ばしたものの、それ以外の地域は新車用タイヤの需要減などが響いた。

 11月8日に2019年12月期業績の下方修正を発表した。8月に続き今期2回目の修正となる。売上高は前期比4.4%減の3兆4900億円と、8月に発表していた従来予想から1300億円引き下げた。また純利益は前期比6%減の2750億円と、従来予想の1%減の2900億円から修正している。新車用タイヤの需要減少やアジア経済の減速が見込まれるほか、成長が続いていた建設・鉱山車両向けラジアルタイヤで、新車需要が弱含んでいることを反映した。

住友ゴム 事業利益が3割減

 住友ゴム工業(国際会計基準)は売上収益が過去最高を達成したものの、事業利益は約3割減少した。為替円高や経費、固定費の増加があったほか、スポーツ事業で25億円、産業品他で8億円がマイナス要因となった。

 タイヤ事業の売上収益は2.0%増の5515億5700万円、事業利益は27.8%減の194億5900万円だった。売上収益は国内外の新車用・市販用で前年同期を上回ったものの、為替のマイナス要素に加えて、固定費、経費の増加などで減益となった。タイヤ販売本数は3.7%増の9255万本。

 同社は通期の業績予想を下方修正した。売上収益は従来予想の9200億円から250億円少ない8950億円を見込み、各種利益も減益幅が拡大する見通し。タイヤ事業の事業利益は想定より60億円減の415億円にとどまる。

横浜ゴム 売上収益と利益が過去最高に

 横浜ゴムは売上収益と四半期利益が過去最高を達成したものの、製造原価の悪化や為替の影響で事業利益は27.4%減となった。また、第1四半期に計上した固定資産の売却益などにより、営業利益は23.8%増、インドの法人税率引き下げに伴いATGで組織再編時に計上した税金負債を取り崩したことから四半期利益は大幅に増えた。

 タイヤ事業の売上収益は0.4%増の3184億円、事業利益は生産減少に伴う製造原価の悪化、物流費の悪化などの影響により50.7%減の117億円となった。

 新車用タイヤは、国内が低調だったほか、自動車生産の調整が続く中国で落ち込んだ。市販用は国内は春以降に夏用タイヤの販売が堅調だったことに加え、値上げや消費増税前の駆け込み需要によって特に第3四半期の販売が好調に推移。海外を含めた市販用タイヤ全体の売上収益は前年同期を上回った。

 ATG事業は農業機械用などオフハイウェイタイヤの販売が堅調で、売上収益は2.4%増の536億円、事業利益は19.4%増の76億円だった。

 同社は12日に通期予想の下方修正を発表した。想定より物流費が悪化したことや為替が円高に推移したことに加え、海外で新車用タイヤの販売が見通しを下回るため。売上収益は前期と同水準を見込むが、事業利益、営業利益はそれぞれ75億円引き下げた。

トーヨータイヤ 本数増もコスト増など響く

 TOYO TIRE(トーヨータイヤ)はタイヤの販売本数が前期より1%増えたものの、製造コストの増加や為替円高、比較的利幅が少ない新車向けタイヤの供給を一部地域で増やしたことなどで2ケタの減益となった。ただ、免震ゴム対策費用が前年の123億2800万円から今期は31億1000万円へ減少したこともあり、純利益は3割近く伸びた。

 タイヤ事業の売上高は1.2%減の2438億4600万円、営業利益は17.0%減の281億1100万円だった。国内外の新車用タイヤは6%増、国内市販用は15%増と好調だった。一方、海外市販用は北米でライトトラック用タイヤなどが堅調だったが、欧州や東南アジアで苦戦した。

 なお、通期業績は8月に公表した前回予想を再度引き下げた。売上高は前回から50億円引き下げ、また各利益も下方修正を発表したが、営業利益率は10%台を維持する見込み。


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