バス停のバリアフリー化へ――ブリヂストンなど「バリアレス縁石」開発

 ブリヂストンは7月10日、横浜国立大学や日本交通計画協会、アドヴァンス(新潟市)と共同で開発した「新型バリアレス縁石」の技術説明会を都内で開催した。

バリアフリー縁石
バリアフリー縁石

 バリアレス縁石は車椅子やベビーカーでもスムーズな乗り降りが可能となる。側面に特殊な形状を施しており、乗降口と停留所の隙間を小さくする正着性を向上させたことが特徴で、6月から岡山市のバス停1カ所で運用が始まっている。

 バリアフリーに配慮した縁石を採用したバス停は欧州などで普及しているが、国内では使用されているバスのドアと形状が異なっているため、輸入品では対応しにくかった。また、導入が進んできたノンステップバスでもバス停に正着できなければ、利用者は一旦路面に降りる必要があり、バリアフリー化の妨げとなっている。

 こうした状況に対して、横浜国立大学や日本交通計画協会は2014年から共同で実証事業を開始。16年にブリヂストン、17年にはアドヴァンスが加わり4者で研究に取り組んできた。

ブリヂストンの田村大佑部長
ブリヂストンの田村大佑部長

 その中で出された「ドライバーの負担を小さくしてバスを安定的に寄せる」という目標に対し、まず取り組んだのは課題の抽出だ。ブリヂストンソリューション技術企画部の田村大佑部長は、「ドライバーは縁石に寄せるということに対してストレスが大きく、ハンドル操作や目を配るポイントなどに気を遣う」と話す。また、タイヤを縁石に擦り付けるという行動も衝撃の大きさや摩耗の激しさが課題だった。

 今回実用化した縁石は、階段状の構造を採用したほか、タイヤとの接触部をラウンド状にして摩耗や衝撃を抑制。タイヤ接地面には凹凸を付けて振動によって縁石に近づいたことをドライバーに知らせるようにもしている。汎用性の高い形状となっているため、大型バスから小型バスまで対応できるという。

 田村部長は「今までの我々の研究の中では最高のものができた」と自信を示し、「お客様に使用して頂いて、新たな課題が出てくれば、引き続き改善していく」と展望を述べた。また、将来的には海外への市場展開も検討していく。

 なお、同社では2020年の実用化を目指してバリアフリー用コンセプトタイヤの開発にも取り組んでいる。


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