タイヤ公取協の事前相談 ウェブ広告が拡大 2018年度は8割増に

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 タイヤ公正取引協議会(タイヤ公取協)が取り組んでいる広告物に関する事前相談の件数が2018年度に2万7886件だったことが分かった。相談件数自体は前年度より若干減少した一方で、インターネットを活用したウェブ広告や動画に関する相談は前年度より8割も増えており、今後も拡大傾向は続いていきそうだ。

公取協グラフ
事前相談件数の推移

 タイヤ公取協では2007年度からチラシなど広告に関する事前相談に取り組んできた。特に2013年度からは制度の活用を積極的に呼び掛けけた結果、相談が急増。それ以降、2016年度まで過去最高を更新し続けてきた。

 一方、制度開始から10年が経過した2017年度は初めての減少に転じ、2018年度も微減となった。その背景には制度への理解が進んだことや、チェーン本部が作成した統一のPOPを活用している店舗が増えていることなどがあるようだ。

 こうした中、相談件数の伸びが顕著なのは、動画やテレビCM、カタログ、販売マニュアルなど「その他」に分類されるカテゴリーだ。チラシ広告や店頭の販促ツールの相談が減少傾向にある中、「その他」は前年度の1.3倍に増加し、相談件数に占める割合も14%から18%に拡大した。特に「ウェブ広告・動画」に限ると、2018年度は1.8倍(872件)と大幅に増えたことが分かった。また、タブレットコンテンツなどデジタル素材に関する相談も多くなってきている。

 ネットを利用した広告や販促ツールはタイヤ業界に限らず多くの業種で今後も需要の伸びが続いていくものと見られている。同会では今後も事前相談を幅広く呼び掛けていくとともに、「デジタル広告の審査には通常の3倍の時間を要することもあるため、件数増に対応する効率的な審査方法を考えていく」としている。

 また、2018年度の事前相談2万7886件のうち、規約違反の指摘があったのは2695件だった。全体に占める割合は9.7%となり、前年度からわずかに増えたものの、規約への理解が着実に浸透していることから2年連続で一桁台の低い水準となった。

 コンプライアンスに対する消費者の目が厳しくなる中、事前相談は景品表示法違反の予防策として有効なことから今後も積極的な活用が期待される。

 なお、タイヤ公取協では今年度から一定期間コンタクトがない事業者に相談を呼び掛けるメールを配信するシステムを構築するほか、より手軽に相談が行えるように通話アプリ「LINE」(ライン)などを利用した相談体制を検討する。


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