北陸リトレッドが新工場竣工 生産性向上へ

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カテゴリー: ニュース

 小野谷機工のグループ企業で、リトレッドタイヤの製造・販売を行う北陸リトレッド(福井県越前市)が進めていたリトレッドタイヤ新工場がこのほど完成した。4月15日には現地で関係者およそ180人を招いた竣工披露式が行われた。

 北陸リトレッドは1967年に操業を開始。リトレッドタイヤ市場の拡大に合わせ生産能力の増強を図るため、建屋の増築や生産ラインを増設し、事業を拡大してきた。工場自体も今回で3度目の移転となる。

 旧工場の建屋面積が600坪に対し、新工場は1000坪とおよそ1.5倍に規模を拡大。リモールド(ホットリキャップ)方式とプレキュア(コールドリキャップ)方式の生産ラインを完全分離し別々の建屋で生産するなど、生産設備を再配置したのも大きな特徴だ。

 中でも今回、新規導入した設備の目玉がドイツ製のレーザー検査機器「シアログラフ検査機」である。山上崇工場長によると、台タイヤのケーシングについて、肉眼では見ることのできない深部に至る部分までをレーザーとコンピュータによって可視化できるという。セパレーションの有無を即時に診断することで、台タイヤとして使用の可否を判断するものだ。

 ほかにも、台タイヤのピーリングとバフィングを同時に行うことができるデュアルタイプの全自動バフィングマシンや全自動セメンティング機など最新機器を導入し、作業効率を向上。省力化にも力を入れた。

 またトラック・バス用16基、小型トラック用4基、合計20基の加硫機は、すべてオーバーホールしたという。さらに今回の工場移転にともない、ボイラー設備で使用する燃料を、これまでの重油から天然ガスに変更した。燃焼効率と燃焼温度の安定性が向上するとともに、二酸化炭素の排出量削減を図るものだ。

 今回の移転にともない、同社の本社敷地面積は1万8000坪へと拡大。生産能力は日産400本、年産7万3000本へと増強し、市場の拡大に対しリニアに対応することが可能となる。山上工場長は「最新の生産設備により、さらなる高品質のリトレッドタイヤを市場に供給していく」と、今後の展望を話していた。


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