東洋ゴム 新経営体制スタート

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社会からの信頼回復目指す

清水社長
清水社長

 東洋ゴム工業は11月12日に開催した臨時株主総会とその後に開かれた取締役会で新たな経営体制を決めた。免震ゴムなどのデータ不正問題を受けて、山本卓司社長は同日付で辞任し、後任に清水隆史常務(54)が昇格、会長には京セラ出身の駒口克己氏(64)が就任した。大阪市内のホテルで開いた会見で清水社長は、「一から出直して創業するくらいの気概を持ち、会長とともにこの難局を乗り越え、必ず東洋ゴムグループの再生を果たしていく」と決意を表明した。今後、清水社長は免震・防振ゴム問題を経営の最重要課題として取り組み、駒口会長は抜本的な企業風土の改革、ガバナンス体制の構築に注力していく。

 会見には清水社長と駒口会長が出席した。2人は「社会から必要とされる会社への再生」を繰り返し述べ、度重なった不祥事から信頼回復へ向け、不退転の覚悟で臨んでいく姿勢を強調した。

 清水社長は、「当社は2007年に断熱パネルの性能偽装という不祥事を起こしているにもかかわらず、不正問題を立て続けに発生させたという重大な事態のさなかにある。免震ゴム問題および防振ゴム問題への対処は当社経営における最重要課題として位置付けており、本日より自らが先頭に立ち、問題解決と信頼回復に取り組んでいく」と述べた。

 その上で、「かつてない深刻な信頼の失墜に、創業70周年にして会社有史以来の危機的な岐路に立っている。何としてもこの会社を守り、世の中から必要とされる会社に戻したい。もう一度、一から出直して創業するくらいの気概を持ち、駒口会長とともに二人三脚でこの難局を乗り越え、必ず、東洋ゴムグループの再生を果たしていく」と語った。

清水社長
清水社長

 駒口会長は、「私の使命は大きく2つある。1つは社会に必要とされる会社ををつくること、もう1つは価値ある企業としての経営基盤をつくることである」と述べ、「免震ゴム、防振ゴム問題の誠意ある対応と問題の早期解決」「全社員をあげて全てのウミを出しきる」「不正を生み出さない土壌を作る」「理念・考え方の確立」「誠実さを体現する会社を目指す」――この5つの方針に取り組んでいく考えを示した。

 さらに「社員のベクトルを合わせて、社会に必要とされる会社を目指していく。東洋ゴムには素直さや現場力は十分にある。ベクトルを同じ方向に向けさせることができれば非常に大きな力になり、必ず社会に必要な会社になれると確信している」と力を込めた。

 清水氏に社長就任の要請があったのは8月。すぐに答えは出せなかったという。だが、約1カ月後の9月中旬、「自分の信念に問いかけ、何としてもこの会社を守りたい、世の中から必要とされる会社に戻したい」という思いから決断を下した。

 一方、駒口氏は今回の正式就任までの1カ月間、主要な工場や事業所を訪問し、主な会議に参加してきた。その中で東洋ゴムの社風を「議論を好まず、他人の言動に事を荒立てないでおこうという風土があるように感じた」と指摘する。それでも「一番厳しい道を選び、それを乗り越えるのが自分を高めることになる。それが使命」とし、会長就任を決めた。今後はこれまでの経験を活かし、従業員との対話を通じて意識改革に取り組んでいく。

 断熱パネル問題から数えて3度目の不祥事を起こした同社へ世間の厳しい目が注がれる中、いかに強いリーダーシップを発揮して真に信頼回復を果たしていくのか、その経営手腕が試される。

 タイヤ事業 今後の設備投資に影響も

 清水社長はタイヤ事業への影響について、「国内タイヤ販売に若干の影響が出ている。問題が起きてから設備投資計画がストップしている。2020年に向けてどういうタイヤ販売が良いのか、どういう所で我々の力を発揮していくか、十分に考えて答えを出す」とし、中期経営計画の見直しを含め、改めて計画を策定する考えを示した。


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