「東京モーターショー2015」タイヤメーカーが生み出すイノベーション

東京モーターショー2015

 東京モーターショー2015にはタイヤメーカーからブリヂストン、住友ゴム工業、横浜ゴム、日本グッドイヤーの4社がブースを出展した。プレスで2日目の10月29日には各社がプレスブリーフィングを開催した。タイヤメーカーが見据える、未来のモビリティ社会へ貢献する技術や取り組みとは――。

住友ゴム工業「課題を技術で超える

池田育嗣社長
池田育嗣社長

 独自の新材料開発技術「アドバンスド4Dナノデザイン」が完成したと発表した。この新技術によりゴムの内部構造をミクロレベルで連続的かつ鮮明に解析・シミュレーションすることが可能となり、低燃費・グリップ・ライフといったタイヤの3大性能の大幅な向上が期待される。

 今回はライフ性能を2011年の代表商品と比べて2倍に高めたコンセプトタイヤ「耐摩耗マックストレッドゴム搭載タイヤ」を初披露した。

 登壇した池田育嗣社長は、「世の中のニーズに応えていくために、当社は課題を技術で超えていく」と述べ、「材料開発のスピードをさらに上げ、経済性と環境性に優れたタイヤを届けていきたい」と意気込みを示した。

 また前回のモーターショーで発表した100%天然資源タイヤの開発で培ったバイオマス技術を活用し、高機能材料の汎用化を目指していくことを明らかにした。その第1段階としてグリップ力を長期間維持させるための「しなやか成分」を、バイオマスから開発。2016年の量産化を目指すとともに、2020年には量販タイヤにも適用範囲を拡大していく考えを示した。

 さらに省資源への取り組みとしてノーマルタイヤより軽量なランフラットタイヤの開発が進んでいることが報告された。

横浜ゴム「スーパーフォーミュラへ挑戦」

野地彦旬社長
野地彦旬社長

 横浜ゴムはバークレイズ・プレミアリーグのチェルシーFCとパートナーシップ契約を結んだことを記念し、ロゴ入りモデル3サイズを地域・期間限定で販売することを明らかにした。

 野地彦旬社長は「ともにグローバルで成長するという理念が一致し契約を締結した。このパートナーシップにより、サッカーファンにYOKOHAMAを知っていただきたい。世界に5億人以上いるチェルシーファンにYOKOHAMAがサポーターの仲間入りをしたという気持ちを込めた」としている。

 またアジア最高峰のフォーミュラレース「全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ」に、2016年度からADVANレーシングタイヤのワンメイク供給を開始すると発表した。

 「同選手権は現在、日本国内で参加することのできるもっともハイスピードのカテゴリー。タイヤへの性能要求は高い。このタイヤを開発することで走りの性能をはじめ、省燃費、安全性能、運動性能の両立と市販タイヤの技術も一層向上できる。また今後、どんなカテゴリーのオファーがあったときでも技術的準備をしていくこととなる」(野地社長)。

ブリヂストン「軽のプレミアム需要創造」

森田氏と清水常務(右)
森田氏と清水常務(右)

 ブリヂストン常務執行役員兼ブリヂストンタイヤジャパン社長の清水実氏とブリヂストン執行役員中央研究所担当の森田浩一氏が「ブリヂストンの価値創造と価値伝達」をテーマにブリーフィングを行った。

 “価値伝達”をテーマとした清水氏は「少子高齢化で女性やシルバーエイジが台頭し、安全、環境への意識が高まっている。そのような中で、年間の自動車販売の4割、保有台数の3割以上を軽自動車が占めるようになった」と指摘。

 「クルマの進化を受け新車には大変良いタイヤが装着されるようになってきている。クルマ本来の性能を発揮するためにも取り替えるときにはそれ以上のタイヤを履いていただきたい。そこで我々はOE起点の商談を進めている。軽自動車用タイヤについてはプレミアム需要の創造に取り組む。軽サイズのタイヤは同じ距離を走る普通車に比べて1・2倍回転する。偏摩耗性能と乗り心地の両立はむずかしいが、開発に注力し、来春に軽自動車用タイヤのプレミアム領域で新商品を投入する予定だ」と語った。

グッドイヤーは2つのコンセプトモデル公開

マイク・リトコスキー氏
マイク・リトコスキー氏

 日本グッドイヤーのプレスブリーフィングにはグッドイヤー社アジア・パシフィックリージョンで副社長を務めるマイク・リトコスキー氏が出席。

 タイヤ自体の発熱と走行時の圧力を電気に変換する発電タイヤ「BH-03」と、路面状況に応じて最適なパフォーマンスを発揮するようタイヤが変形するモーフィングタイヤ(変形タイヤ)「トリプル・チューブ」を発表した。

 「発電タイヤは将来の電気自動車への対応を視野に入れている。モーフィングタイヤは内蔵したチューブにより空気が送り込まれ、1つのタイヤでエコ・スポーティ・ウェットの3つのモードに変形するなど究極のドライビングプレジャーを提供することが可能となる。安心、安全と地球環境への新たなアプローチである」と述べた。なお両モデルとも現時点では商品化は未定。


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