国内4社の1~6月期業績 原油高が利益押し下げ

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カテゴリー: ニュース

 タイヤメーカー4社の1~6月期決算が出揃った。海外を中心にタイヤ販売本数は好調に推移し、ブリヂストン、住友ゴム工業、横浜ゴムが増収を達成した。ただ、石油系原材料の価格高騰が利益を押し下げる要因となっているほか、海外の一部で景気下振れリスクがあり、横浜ゴムを除く3社が通期予想を下方修正した。

3社が通期予想を下方修正

2018年上期業績と通期予想

 各社の利益面でマイナスに働くのは、主にカーボンや合成ゴムなど石油系原材料価格の高止まりだ。また、中南米の通貨安、中国や中近東での景気動向も懸念材料となりそうだ。ブリヂストンの江藤彰洋執行役副社長CFOは、「中南米の通貨が急激に下落したことにより百数十億円の為替差損が生じる」としており、住友ゴムの池田育嗣社長は「中近東で消費低迷は想定外だった」と話した。

 一方、主力のタイヤ事業は概ね需要が安定しており、海外市場を中心にSUV用タイヤや大口径タイヤなど収益性の高い商品の販売拡大が見込まれている。

 ブリヂストンは、国内でスポーツやサイクル事業が伸び悩むことから売上高は2月に発表していた従来予想から1000億円減、営業利益が330億円減とした。ただ、タイヤ部門の売上高は前期比2%増の3兆800億円、営業利益が7%増の4130億円と増収増益の予想。北米で新車用タイヤは乗用車・小型トラック用が1割強、トラック・バス用が2割強増加する見込みだ。また市販用タイヤは日本や欧州で伸びる。北米市場で需要が好調な高インチタイヤについて、「能力増強を着実に進めており、2020年以降も継続する」(江藤副社長)としている。

 住友ゴムはタイヤ部門の売上収益を100億円、事業利益を60億円それぞれ当初見込みより引き下げた。池田社長は「中国では米国との通商問題などによる景気の下振れリスクがあり、中近東では景気低迷の継続が予想されるため、販売数量を見直した」と説明。ただ、「下方修正した数字をいかにカバーするかが大事だ。知恵を出していけばプラスとなるのではないか」と巻き返しへの意欲を示した。

 同社の年間タイヤ販売本数は、高インチや低燃費タイヤのニーズが高まっている国内新車向けでは3%以上の伸びが見込まれる。また海外新車用は17%増と好調に推移するもようだ。

 市販用は、欧州では昨年買収した英ミッチェルディーバー社などを活用するほか、上期に販売が落ち込んだ中国で販売ルートの組み換えを行うことで、年間では対前年比でプラスを目指す。

 横浜ゴムは国内4社の中で唯一、通期予想を据え置いた。国内新車用タイヤは減少するものの、市販用は日本、北米、中国、アジアの各市場で増加する見込み。さらに欧州市場ではオールシーズンタイヤ市場にも参入することで前年比1割増の販売を目指す。ATG(アライアンスタイヤグループ)が手がけるオフハイウェイタイヤも着実な需要が見込まれる。

 8月10日に開いた会見で山石昌孝社長は「上半期は過去最高の売上収益、営業利益を達成した。中期経営計画で掲げた財務目標に向けて増収減益を目指していく」と方針を語った。

 東洋ゴム工業は免震ゴム関連の特別損失を上期に108億円計上したことが響く。また自動車部品関連の収益改善が想定より遅れていることも下方修正の要因となっている。営業利益は当初予想より20億円減の450億円となり、前期比マイナス3億円とわずかながら減益に転じる見込みだ。

 ただ、強みのSUV向けは需要が旺盛で、「タイヤ事業の営業利益は予想を確保し、営業利益率13.9%を目指す」(清水隆史社長)としており、引き続き商品力強化と増販に向けた体制強化などに取り組む考えを示した。


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