ブリヂストンタイヤジャパン ソリューション提案積極化

 ブリヂストンがトラック・バス用タイヤで、新品タイヤとリトレッド、メンテナンスを一体化したソリューションの提案を積極化している。2月23日にはユーザー向けの大規模な説明会を開催し、その効果を改めて訴求した。上昇傾向が続く燃料価格や深刻な人手不足など、今後も輸送業界を取り巻く環境は厳しさを増すことが予想される中、サービス品質の更なる向上やデジタルツールの活用なども進め、多くの輸送事業者の課題解決に繋げていく。

都内で行われた説明会

 ブリヂストンタイヤジャパンは2月23日に都内で関東エリアの運送会社やバス会社など89社129名を招いた説明会と燃費テストを実施した。今後、北海道から九州まで各ブロックで同様のイベントを開く予定。同社がこの規模で燃費テストを行うのは6年ぶり。番匠谷克志常務執行役員は、「燃料価格が上昇基調にある中、お客様に何か役に立てることはないかと、今一度PRしていきたい」とその目的を話す。

 当日、説明に多くの時間を割いたのが、同社のタイヤソリューション「エコバリューパック」への取り組みだ。2008年にスタートし、その中でタイヤに関する業務を一括で請け負う「トータルパッケージプラン」の契約数は昨年末に750社、2万2000台に達した。

 同社では「ドライバーや整備スタッフが不足する中、整備を外注しようという方が増えており、想定以上に拡大している」と手応えを示す。今後も一層の顧客拡大に取り組む考えだが、鍵を握るのはサービス力の強化だ。

 ブリヂストンの場合、他社より幅広い拠点網と多くのサービス人員を抱えているのが強み。その一方で作業レベルのバラつきをなくすために、作業標準の徹底に取り組みつつ、作業マニュアルを定期的に改訂して一層のレベルアップにも力を入れている。

デジタルツールの紹介
デジタルツールの紹介も行われた

 また1月には、これまで海外で展開していたデジタルツール「ツールボックス」を国内で導入した。同社のスタッフが顧客を訪問した際にタイヤの情報や点検結果などを管理するもので、従来より高い精度で最適なタイヤや使用方法を提案できるようになるという。一部で運用を始めたばかりだが、将来的には全国へ拡大することを検討しており、スタッフの省力化にも繋げる。

 番匠谷常務は「メンテナンスの部分でお任せ頂ければ、燃費に貢献できるタイヤとリトレッドによりコストと環境面をサポートできる」と、更なる成長へ意欲を示した。

燃費テストで性能実証

 ブリヂストンタイヤジャパンは23日、東京湾アクアラインで公開燃費テストを行った。三菱ふそうの大型トラックに9トンの荷物を積載し、汎用ミックスタイヤ「M800」と低燃費タイヤ「ECOPIA(エコピア)M801」を装着。浮島ICから海ほたるPA間の往復12kmを時速70kmで走行し、燃料消費量を測定した。

 結果は「M800」の平均燃費が約5.96km/Lだったのに対し、「M801」は約6.49km/Lと8.9%上回り、性能の高さを実証した。

 「エコピアM801」は2011年9月に発売した。従来品(M890)と比較して転がり抵抗を36%低減しつつ、ウェット性能や静粛性、ライフ性能など各種性能を向上している。


[PR]

[PR]

【関連記事】