日本ミシュランタイヤの須藤社長「将来、社会に認知される活動目指す」

 「一方、売上高を毎年伸ばすためにはタイヤ事業もさらに拡大していく必要があります。高付加価値タイヤなどにはこれまで以上に注力していきますし、タイヤ事業が中心になることは変わりません。

 サステナブルモビリティに貢献することは信念ですが、独りよがりではいけないと思います。2050年には社会から一定の認識をして頂く――『ミシュランが過去にこういうことを進めたから、今の世の中が少しでもサステナブルになった』と、世間に認知されて初めて実現できたと考えています。我々が社会に存在している以上、貢献する意義と理由があり、社会からも認識される――ここが一番達成したい目標です。

 ミシュランと聞いた時に人々が何を想像するか――タイヤやミシュランガイドがあると思います。これから様々な領域で提携が増えると思いますが、ふと気付くとここでもミシュランが関係していた――そういうように人々の認知が変わってくると思います」

 ――日本ミシュランタイヤの社長として方針を。

 「我々がこれから新しいことに取り組んでいく中、複雑で難しい伝え方をしてはいけないと思います。基本に戻り、ミシュランの想いが伝わるようにしていきたいのですが、今までのやり方では自信がありません。

 そのために日々のコミュニケーションの中で数字だけではなくサステナブルの重要性も盛り込んでいきます。社員全員が『ミシュランは何をしたいのか』ときちんと説明できることが重要です。これは日本だけではなくグローバルで取り組んでいる活動です」

 ――日本市場での課題は。

 「我々は大きく変わってきていると思っています。例えば大口径タイヤなどのラインアップはこの数年で3倍に拡大しています。当社が扱いやすいタイヤだけを販売するのでなく、お客様のニーズがあるならそれを揃える――顧客中心主義を今後も進めていきます。

 シェアが高まれば、それだけ受け入れて頂いた指標にはなりますが、本数だけではなくバリューをどれだけ伸ばしていけるかが重要です。なぜこの製品を開発したのか、どういうところが重要なのか――こういった点をどれだけお伝えできているかが課題です。正しくお伝えできれば、ミシュランのポリシー、製品の思想や違いをご理解頂き、より良いフィードバックになっていくと思います」

 ――日本でのビジネスはどう進化しますか。

 「色々な可能性がありますが、これからは“タイヤの見える化”が重要になってきます。例えばフリートソリューションは各社が進めていますが、燃費や摩耗状態が見えていないと評価はできません。今後、センシング技術やテレマティクス技術などでデータが把握できるようになり、それに応じてニーズが広がっていくと思います。

 ソリューションビジネスは生産財タイヤだけではなく、乗用車用タイヤにも間違いなく拡大していくと思います。我々はサステナブルやソリューションなど、色々な分野でイノベーションのフロンティアになりたいと思っています。今後もその精神を意識しながらバリューで伸ばしていきます」

 ――これからの展望を。

 「今回の社長就任にあたりグループから具体的な指示はなく、ただ『頼むぞ』とだけ言われたのですね。これを自分なりに考えてみますと、日本で60年近く事業を継続し、太田サイトというアジア地域の研究開発を支える拠点もあります。その中で、何か光るような、新たな貢献を行うことが重要だと理解しています。

 まずは社員全員がワクワクしてサステナブルなモビリティを実現できるようにしていきたいと思います。パートナーの方々とも想いを共有し、日本から発信することで、期待も高まっていくと思います。皆のそうした想いが集まれば、色々なことが生まれてきますし、付加価値や成長にもつながっていくと確信しています」


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