日本ミシュランタイヤ「国内にもイノベーションを」

日本ミシュランタイヤ トラック・バスタイヤ事業部 執行役員 高橋 敬明氏

 日本ミシュランタイヤはトラック・バス用ワイドシングルタイヤ「MICHELIN X One」を戦略商品と位置づけ運送会社やトラックメーカーへのアプローチを強めているさなか。その狙いはどこにあり、さらに今後、「X One」をどう展開していくのか。トラック・バスタイヤ事業部の高橋敬明執行役員に話を聞いた。

 ――近年輸送事業者が抱えている課題に対し、どのような商品やサービスを提案していますか。

 高橋 昨今の問題としてはドライバー不足が挙げられます。それに対して、当社は「トラックドライバー甲子園」というイベントのスポンサーを務めています。

 このイベントの目的はトラックドライバーの地位を向上させたいというものです。ミシュランには「モビリティに貢献する」というのDNAがあるので、今年2月に行われた第2回大会からスポンサー活動を行っています。タイヤメーカーとして活動に加わることでこれからプラスの効果が出てくれればと思っています。

 一方でトラック車両に目を向けると、一番の問題は規制強化の中で車両がどんどん重くなっていることです。重くなるイコール積載量が減っていくわけですので、「X One」を採用することで1軸あたり約100kgの軽減が可能となる点は非常に大きなことです。諦めていた積載量を取り戻せる部分があるので、お客様からの引き合いは多く来ています。

 「X One」を日本に導入したのは2007年ですが、木材運搬あるいは産業廃棄物などさまざまなカテゴリーで認知されてきました。2014年の販売量は当初から比べると5倍まで増えており、昨年と今年を比較しても170%から180%まで伸びると見込んでいます。

 ――「X One」の販売が伸びている要因は。

 高橋 「X One」は日本のマーケットで一番進んでいるソリューションだと自負しています。例えば廃棄業界の中でも輸送事業者どうしでネットワークがあり、そこで評判が広がることで加速度的に伸びています。我々は「アドバンスユーザー」と呼んでいますが、そういった方々は課題に対して前向きで、色々なことにトライしています。新たな投資をしたり、情報交換をしながら良い物を取り込んでいくモチベーションも高いようです。

 アドバンスユーザーの方は「X One」や「3R」にも積極的で同業者にも影響力があります。我々はそういったユーザーを軸に、プレゼンテーションや会合の中でお話ししていただき、情報発信を行っています。またそういった立場の方々は他の皆さんも注目しているので、それが波及していくと。これが販売増の大きな要因だと思います。

 我々は新しいユーザーとのコンタクトポイントを作ることを目的に、毎年全国数カ所でローカルイベントを開催しています。今年は6月に神戸、7月には仙台で「X One」説明会を開きましたが、仙台では30社ほど参加していただきました。

 こういった活動はこれまではミシュラン主導でしたが、今年からタイヤディーラーとの共同で行うように改め、ディーラーがそれぞれのユーザーを連れてくると形式になっています。

 色々な業態にというのは言い換えれば、積載が取れた分だけお金になる業種です。単に積載を確保というのではなく、運んだら運んだだけお金になる業種ですね。産廃が良い例で、あとは石油や配合飼料など、そういう形で広がりをみせています。「今まで取れていたものがないと困る」と、急遽「X One」に変えたという方もいました。そういう業種がいくつも出てきましたし、あるユーザーから「これは革命だ」と言っていただけました。
 
 さらに「X One」は燃費面でもメリットがあります。今は燃料価格が下がっていますが、将来に備えて今のうちに準備をしていくとお考えの方を中心に広がってきています。

全OEメーカーへ提案強化

 これまではリプレイスに注力してきましたが、国内4社――全OEメーカーへのアプローチを再度強化しています。トラックメーカーが普通に「X One」を装着している形に持っていきたいと考えています。

 現在、UDトラックスの1モデルに採用していますが、今後は全メーカーで承認を目指していきます。今は本当に積載が問題になっていますので、以前より確実に反応は違ってきていると感じています。

 OEへのアプローチはトップへ売り込みをかけています。ただし「X One」は、ホイールを変えることとTPMSの装着が必須なので、パートナーサプライヤーと一緒にパッケージとしてご提案しています。

 ――「X One」の課題としてレスキューなどがあるようですが、そこへの対応は。

 高橋 万が一のパンクなどに備えて主要幹線道路にあるパートナーディーラーで在庫を持つようにしています。過去にパンクは3回しか起きていません。パンクが少ない理由は、タイヤ自体にインフィニコイルという部材を採用しており強固になっているためです。もしパンクが起きてもスローパンクチャーが多いはずですので、そこはTPMSで管理をすることを推奨しています。


[PR]

[PR]

【関連記事】