東洋ゴム工業「提案力のさらなる向上を」

トーヨータイヤジャパン 生産財販売統括部長 河島 陽一氏

 コスト低減、省メンテナンス、安全対策、ドライバー不足――。輸送業界が抱える経営課題は根深い。TBタイヤを供給する側からの提案力が問われてくる。トーヨータイヤジャパン(株)営業本部生産財販売統括部の河島陽一部長に聞いた。

選ばれるブランドであり続けるために

 ――輸送事業者は今、さまざまな課題を抱えています。そのような現状で、トーヨーがどのような商品やサービス、ご提案を行うことで、輸送業界に貢献ができるとお考えでしょうか。

 河島 輸送業界においてコストの低減をいかに図るか、ということが根底にあります。

 構造的な問題だと思うのですが、トラック運送事業者は荷主との関係で弱い立場に置かれていると言えます。荷主側から運賃の引き下げ要望というのがあり、その要望に応えなければ仕事をいただけなくなるというおそれを抱く。以前、欧州に出張した際、現地の運送事業者に聞いたところ荷主と輸送事業者は対等の関係で、ビジネス上のパートナーという意識が定着しているように見えました。

 欧州では燃料費が上昇すれば、それは価格転嫁やサーチャージによって運賃にオンすることができます。しかし日本の場合、燃料サーチャージを実施している輸送事業者はまだ限られ、相対的に弱い立場にあります。

 その一方、トラック輸送には燃料価格の高騰、高速道路や有料道路通行料金の値上げ、更に自動車に係る税負担の増加と、輸送事業者の経営を大きく圧迫してきています。従って、コストダウンは宿命的に、常についてまわる課題だと言えるのではないでしょうか。

 コスト低減の課題とともにクローズアップされてきたのがドライバー不足、なかでも若年層のドライバーが不足しているという指摘問題。またそれとともに、車両メンテナンス、そしてタイヤメンテナンスに携わる人たちも不足してきています。現役世代が高齢化し、引退した後の補充が充分ではないのが現状です。

 トラックドライバーの方は、運転するだけでなく、整備メンテナンスもあれば、貨物の積み卸しなどの労働もともないます。それだけ、ドライバーへの負担は増えてきています。そのドライバーが高齢化してきていますので、若い人たちを入れなければなりませんし、未経験の人でも入れなければなりません。そういう人材不足の状況を考えますと、タイヤのメンテナンスについては、わたくしどもがもっとサポートしていかなくてはいけないのではないかと考えます。

 また、タイヤの性能特徴をフルに発揮させようとすると、それは使用条件に頼るところがあるのですね。タイヤに種類がたくさんあるように、お客様のさまざまな使い方に対し、わたくしどもがいかに適切にご提案をすることができ、後のフォローをとることができるか。そういったことが非常に重要になってくるのではないでしょうか。

 先ほどのドライバー不足ということで、今後、女性のドライバーがもっと増えてくるかもしれません。あるいは、外国人のドライバーも増えてくる可能性も高いのではないでしょうか。そういうふうに今までの労働者像とは違う人たちが入ってくることによって、タイヤに求められる性能やタイヤメンテナンスのあり方が大きく変わってくるかもしれません。そういうときに、わたくしどもが適切にご提案し、サポートすることができるかが大事になってくるものと思っています。

最優先課題は安全・環境対策

 ――そのような課題に対し、どのような取り組みを行っているのでしょうか。

 河島 輸送業界が取り組む課題として、安全と環境があります。安全対策、環境対策は最優先ですね。それに対するわたしどもの対応はやはり、どのような商品をお奨めし、どのような使い方をご提案するか、ということになるでしょう。そこの部分を、トーヨーとして地に足を付けたやり方で取り組んでいく必要があると思っています。ただ単純にタイヤをご提供するというのではなく、トラック・バス用タイヤの場合は。

 このような使い方をされるのであればこのタイヤをご提案します、というスタンスが重要なのです。ですから、トーヨータイヤジャパン、そして自主系販売会社がいかにタイヤを通じて安全と環境を提案することができるのか。タイヤをただ売るのではなく提案ができるか。付帯するサービスを提供できるのか。そこが問われてくると思います。

 ――新中期経営計画の中で、タイヤ事業の商品戦略として、TB用タイヤの商品開発力を強化し技術優位性の高いタイヤメーカーポジションを獲得するという方針を打ち出しています。

 河島 TB用タイヤは、トーヨーが得意としていた分野ですから、それをもう一度しっかりとしたものにしようということですね。お客様から選ばれるブランドであり続けなければなりませんから。

 乗用車用タイヤでは「NANOENERGY」シリーズという低燃費タイヤを発売し、環境負荷の低減に取り組む企業姿勢を示しています。そのような環境への対応をTB用タイヤでも力を入れて取り組んでいるのだということをお見せすべきだと思うのです。


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