横浜ゴム「ブランド価値を伝え、存在感を」

生産財は原点に回帰

 ――横浜ゴムではグローバルで「ADVAN」を強くアピールし、欧州の高級・高性能車を中心に新車採用も進んできています。ただ、国内市販用タイヤ市場を見ると、スポーツ系タイヤは厳しい環境下にあると言えます。そういう中で、モータースポーツ活動などを通じて「ADVAN」の訴求を強める販売戦略を展開してきましたが。

 三上 わたくしは現在の部に着任してまだ1カ月にも満たないのですが、これまでの間、いろいろな方々と話をしてきて、またわたくし自身の海外での営業活動の体験を通じて、「ADVAN」のプレゼンスが確実に高まっているとの手応えを感じています。このことをわたくしどものパートナーであるタイヤ販売店の皆様を通じて、消費者の方々にいかにお伝えできるかを考えていきたい。

 国内では、「ADVAN NEOVA」「ADVAN Sport」「ADVAN dB」と、3つの商品を中心に展開しています。この3商品はおのおのレベルが高い。それをお客様にきちんとご理解いただけるような仕掛けを作っていこうと考えています。

 一方、低燃費タイヤの「BluEarth」シリーズは、言わば基礎の部分ですね。ここもしっかりと売っていく。特に、雨の日の安全性を高めた低燃費タイヤということで、その高い性能を強力にアピールしていく方針です。

 ――生産財でも低燃費タイヤの需要が高まってきていますが。

 三上 商品としては「ZEN」ブランドを中心に展開し取り組んでいます。タイヤは適正に使われて初めてその性能がフルに発揮されます。生産財の場合、特にその点が重要です。ですから、原点回帰という意味を含めタイヤ点検活動を行い、そこに絡めて「ZEN」ブランドのご紹介を行っていこうと思っています。

 ――横浜ゴムでは、生産財向けのTPMSとして「HiTES」を提案し、タイヤの運行管理をサポートする活動に長年、取り組んできていますね。

 三上 「HiTES」については、大手運送業をはじめ、多くのお客様に導入していただいており、着実に実績を積んできています。お客様の車両管理の状況等に応じて、引き続いてご提案していく考えです。

 ――生産財にはリトレッドタイヤビジネスも深く関わってきます。14年にそれまで2社あった国内リトレッドタイヤ事業を1社に統合し、新たにヨコハマタイヤリトレッド株式会社を設立しており、リトレッド事業の強化を図っています。また、新品からリトレッドまで、トータルにサポートする「エコメソッド」を展開しています。その辺りを含め、今後の方針を聞かせてください。

 三上 車両の使われ方にもよりますが、新品時から二次寿命までを考え、トータルでお客様の経済運行にいかに寄与できるかが重要です。また、リトレッドタイヤは環境への貢献が高いですから、その観点からも外すことはできません。当社はリトレッドタイヤを2社(4事業所)で生産していましたから、それをどういうふうにして製造・物流・販売のサプライチェーンにしていくかが課題でした。そういう意味において、このほどようやくスタートラインに立ったところだと言えるのでしょう。

 このリトレッドタイヤ事業は今後、絶対にしっかりと取り組んでいかなければならないところです。海外に比べて、日本はリトレッドタイヤの普及率がとても低い状況にあります。環境問題、経済性の両面からも、今の普及率を海外並みに引き上げていきたい。

 一昨年くらいまで、台タイヤの確保が非常に困難な状況でしたが、これが昨年くらいから少し状況が変わってきています。ですから、台タイヤをキチッと確保しリトレッドまでつなげていく、そのスキームを今の時期につくっていかなくてはなりません。仕組みをいかに具体化するか、そこに力を入れ取り組んでいきます。

啓発・研修は非常に重要

 ――生産財については、収益性の向上が大きなテーマとなっていますが。

 三上 生産財には「コスト・パー・キロ」という考え方があります。メーカー側としては、その部分で競争力をつけなくてはなりません。「コスト・パー・キロ」の競争力を持っている場合、次に求められるのは、そのことをお客様にいかにきっちりとお伝えすることができるか。そのセールスのスキームをつくる必要があります。

 「コスト・パー・キロ」の考え方には、製造コストの部分もありますし、物流コストも関わってきます。サプライチェーンマネジメント全体での総合力が問われますね。

 ――上尾や宮城に大規模な倉庫をつくってきましたから、物流拠点の整備という意味ではほぼ整ってきたのではありませんか。

 三上 そうですね。まだ途上ではありますが。サプライチェーンの整備はとても大事なところですね。

 ――直営店の施策について、15年度以降の方針についてはいかがですか。

 三上 これまでから大きくシフトチェンジするという考えはありません。直営店に対する方針として、乗用車用タイヤを中心に扱っているお店と、生産財タイヤを扱っているお店とでは、はっきりと分けたオペレーションをしていきたい。なぜならお店で対応するお客様が違いますので。

 生産財の場合、お客様ご自身が広域に移動されるということもあります。それに対応するにはサービス拠点がどうあるべきか。それに対して乗用車用タイヤの場合は小売店ですから、その地域のエリア特性をよく見て対応しなければなりません。流通業なので、激しい変化に素早く対応することも必要です。


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