ブリヂストン「質を伴った成長を」

 ――そのモデルなりノウハウをファミリーチャネルのショップさんへも展開されていくのですか。

 清水 もちろんです。アライメントやタブレット商談を展開していきながら、ショップさんの人づくり、店づくり、お客様づくりを一緒になって取り組んでいきたいと考えています。私たちはいま新しいことにチャレンジしていますが、そこにすぐに順応できる方とそうでない方がいらっしゃるのも事実です。しかしながら結果的にそこに差が出てきます。ですから私どもとしては、そのバラツキをできるだけなくす努力を続けていきたいと思っています。

 ――ここで営業所についてお聞きしたいと思います。現在、カンパニーと営業所の数はどれくらいですか。

 清水 カンパニーは2014年1月から再編してエリアカンパニーとしては30カンパニーの体制となっています。営業所は約300あります。カンパニーは現在の形で固め、営業所については中期計画の中で常に見直しを行っています。

Win―Win―Winになる

 ――それでは2015年の社長方針をお願いします。

 清水 これはオール・ブリヂストンの方針でもあり、中期計画の骨子ですが、「質を伴った成長」をしようと社内では言っています。とくに国内の市場環境が量も質(単価)も下がっていく傾向にある中で、本当にこれでいいことなのかという疑念を持つことが大事です。まずは、お客様と販売店の皆様、そして販売店の皆様と私共とが、Win―Win―Winになること。そのためには、良いものを、付加価値を付けて販売していくこと、それが不可欠です。

 そのためには生産財も消費財も同じで、私共だけでなく販売店様にも付加価値の提案をして頂くことが必要となってきます。また、場合によっては、ご努力をお願いするケースもあるかもしれません。付加価値提案をして頂くための教育の部分は私たちがサポートさせていただきます。ブリヂストンの看板を掲げていただける会社とは、一緒になってやっていきたい、それがベースにあります。質を伴った成長がなければ、日本の市場は面白くない市場になってしまう。そういう気概と確信を持ってファミリーチャネルの皆様と一緒に頑張っていきたいと思っています。

 ――質を伴った成長の具体的施策で、お話しいただけることがあればお願いします。

 清水 1つは新車装着タイヤを起点としたアプローチにより、付加価値提案をしっかりと行い、お客様の満足度を上げていきたいと考えています。今日では低燃費車の新車に装着されているタイヤは、国内補修用市場で販売されているエコピアクラスと同等の性能をもったタイヤなんです。ところが、低関心層のお客様がタイヤ購入の時に新車装着タイヤより低ランクのタイヤに履き替えてしまうケースがあります。そうすると車本来の性能がタイヤをランクダウンしてしまったために発揮できなくなる。燃費が悪化したり、乗り心地が悪くなったり、音がうるさくなってしまう。

 車本来の性能を発揮する為に、商品ごとの新車装着タイヤとの性能の違いをきちんとお客様にお伝えしようというのが新車装着タイヤを起点とするアプローチによる付加価値提案をしていくことのねらいです。とりわけカーディーラー様にとっては大変身近な問題だと思います。このことによってお客様の満足度を向上させることができると考えます。また、ビジネスの上でも単価が上がり、高付加価値商品の販売につながる可能性があります。

 2つ目は、オリンピックです。ブリヂストンがオリンピックのTOPスポンサー契約を結びました。私どもとしてもブリヂストン本体と連携しながらブランド力強化に貢献していきたいと考えています。

 3つ目は、メーカー希望小売価格の適用商品の拡大です。2015年1月1日から実施します。これまでもポテンザ、レグノ、エコピアEP001S(ラベリング最上級のAAA-a)などごく限られたタイヤのみメーカー希望小売価格が設定されていました。それをボリュームゾーンの商品であるエコピアEX20をはじめ、それより上級の夏タイヤのリプレィス品と新車装着タイヤの一部にメーカー希望小売価格を設定します。

 ――なぜメーカー希望小売価格の適用商品を拡大させるのですか。

 清水 本来タイヤが持っている価値をお客様にきちんとお伝えするためです。当社は96年4月にメーカー希望小売価格を廃止してオープン価格に移行しました。その当時はメーカー希望小売価格と店頭での実売価格のかい離がものすごく大きくなっており、店頭での二重価格が指摘されていました。それを解消する手段としてオープン価格制を導入しました。

 それから十数年以上経って時代が変わり、2010年にはラベリング制度の運用が開始され、本格的な低燃費タイヤ時代に突入しました。ラベリング制度はタイヤ業界として、重要な取り組みですが、ラベリングの「低燃費」「ウェットグリップ」だけが、タイヤ性能として焦点が寄りすぎることを、危惧しています。

 タイヤの性能はこの二つだけではありません。転がり性能、ウェットブレーキのほかにも直進安定性、ドライ性能、ライフ、静粛性、乗り心地などいくつもあって、それらが高次元でバランスされたタイヤをプレミアムタイヤとして各社が開発しているわけです。

 メーカー希望小売価格の導入はチャレンジングなことだと思っています。お客様から見るとタイヤが高いと思われるか知れません。しかし、これは私たちの主張です。

 2015年は、タイヤの価値をどれだけお客様にお伝えできるか、そこが私たちに課せられた最も重要な課題になります。しっかりチャレンジしたいと思っています。

 ――スタッドレスタイヤは対象に入らないのですか。

 清水 当面対象から外しています。今後検討していきたいと思います。


[PR]

[PR]

【関連記事】