ブリヂストン「質を伴った成長を」

 ――ブリヂストンタイヤジャパン1社体制となって3年経つわけですが、その成果はどのような形で表れてきているとお考えですか。

 清水 そもそも全国1社体制にした最大のねらいは専門特化と効率化です。その専門特化を進めていく上で組織を消費財と生産財の財別に分けて、それぞれ専門性を追求した取り組みを強化してきました。

 生産財タイヤについていえば、専門特化の最たるものが新品、リトレッド、サービスをパッケージにしたタイヤソリューションです。

 生産財タイヤビジネスは、新品タイヤの販売に頼っていましたが、その考え方を大きく変えました。環境対応型の新品タイヤを提供するだけでなくリトレッドと保守・管理等のサービスをパッケージにしたビジネスモデルを展開する。それによってお客様に環境対応(エコロジー)と経済性(エコノミー)を提供することが可能になります。ひいてはお客様と私どもがWin―Winの関係になれるんですね。

 当社ではいま、トータル・パッケージ・プラン(TPP)と称するビジネスプランをお客様に積極的にお勧めしています。商品とサービスをパッケージングし、かかったコストの総額を契約期間で月次均等割りする、つまり一種のリース契約のようなものです。ここにきて契約会社数も急速に伸びてきており、2014年末では、200社を超えるところまできている状況です。

 このソリューション活動を率先してきめ細かく実行しているのが直営のトラックセンターで、その成果は個々のトラックセンターの収益面にも表れてきています。そこでこのビジネスモデルをしっかり構築して、ブリヂストンタイヤショップ(BTS)の皆様にもご提案させていただいているところです。

 すでに成功事例も出てきています。やはり私どもとしてはBTSの皆様と一緒になって運送事業者様などのお客様にTPPを提案させていただき、それによって今度はお客様とBTSの皆様と私どもがWin―Win―Winで行きたいと考えています。

 ――ソリューション活動のコアとなるのがリトレッドだと思いますが、台タイヤ不足という問題もあると思いますが。

 清水 確かにビジネスの間口を広げていく中で、台タイヤの確保は一つのキーになります。そこはまだ課題です。2013年7月にタイヤリサイクルセンター大阪を開設しました。そこはリトレッドタイヤ製造工場と廃タイヤ中間処理工場を1カ所に集約した拠点で、日本国内で例のない新しい試みです。そこでの経験を通して、ネットワークを広げていく努力を続ける必要があると考えています。

タイヤ館の出店も検討

 ――消費財タイヤについてはいかがでしょうか。

 清水 いま全国にタイヤ館が約500店ありますが、最近は新規出店をせずにスクラップ&ビルドを中心に取り組んできました。2015年からは、増やすことも検討しています。

 ――出店攻勢に出ようと。

 清水 そうです。もちろん直営で出店するだけでなく、地場の有力なパートナーであるBTSさんと一緒に出店することも含め、検討しています。

 ――出店を増やす理由は。

 清水 第一に、市場が随分と変わってきたということがベースにあります。例えば新しくバイパス道路ができて人の流れが変わったとか、首都圏や愛知県のようにいまでも人口が増加している地域もあります。その結果、店舗のない空白地帯が発生してきているという現状があるんですね。ですから、そうしたところに出店することも検討しています。

 タイヤ館は専門店としてのプレゼンスをもっと高める必要があるという考えから、いろいろと改革を行ってきました。ただ単に、販売本数を増やせばいいというのではなく、激化する市場競争の中でいかに勝ち残っていくか、専門店としてどうあるべきか。そう考えたときに、やはり人で勝って、技術で勝って、接客で勝てる専門店を目指そうじゃないかということで再構築を図りました。意識改革も含め、体質がかなり改善したと思っています。これで行けるという自信がついてきたわけです。

 今までは店舗数を増やすのではなく、既存店をいかに活性化するかということに邁進してきましたが、それに目途がついてきたということです。

 ――消費財における専門特化というのは、具体的にはどのようなことが挙げられるのでしょうか。

 清水 私どものような販売会社にとって最も大事なことは「人づくり」です。一人ひとりが適材適所で能力を発揮して、お客様にも的確に提案できるようになることが何より大切なんですね。それがすべてのベースになります。

 店づくりの面で専門特化の具体例を挙げると、一つにはアライメントがあります。

 実は、20数年前に小売事業を始めるとき、タイヤ館の構想の中には最初からアライメントが入っていました。ところが長い間、実績は伸びず、月に20台か30台実施できればいいという状況が続きました。それが2年ほど前からようやくブレークし始めて、100台という店も出てきました。

 アライメントの実績が上がって何が変わったのかというと、まず店の採算が良くなりました。それに加えお客様との信頼関係ができ、再来店率がアップしました。

 もう一つ、タブレット商談が挙げられます。接客の上手な店長さんは成約率が80%と高いんですが、新人さんでもこのタブレット商談を行うと同じように80%の成約率を残している事例が出てきています。加えて、データを使ってきちんと説明することにより、お客様が納得してご購入されますので満足度が高いんです。だからリピートにつながるというわけです。さらに成約率が上がるだけでなく、高付加価値商品の販売につながる点も大きな成果として表れてきています。


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