ブリヂストン「質を伴った成長を」

ブリヂストンタイヤジャパン代表取締役社長 清水 実氏
ブリヂストンタイヤジャパン代表取締役社長 清水 実氏

 ブリヂストンタイヤジャパン(BTJ)の清水実社長に2014年の振り返りと2015年の取り組みについて話を聞いた。BTJ設立から3年が経ち改革に関しての手ごたえを感じているようだ。それらの改革の成果をベースに、今後いくつもの施策を講じていく。2015年は、付加価値提案ができる商品・チャネル政策の展開、生産財タイヤソリューションビジネスの一層の強化、メーカー希望小売価格の適用商品拡大による商品価値訴求へのチャレンジ、営業所改革の拡大などを実施していく方針である。

「質を伴った成長を」BTJ設立3年、改革に手ごたえ

 ――2014年の国内市販用タイヤ市場はどう変化してきたと見ておられますか。

 清水 2014年は何といっても4月の消費税率引き上げのインパクトが大きかったですね。事実、1~3月のタイヤ需要は、都市部に降雪もありましたし、そこに消費増税前の仮需が出て、一時的に大きく膨れ上がりました。しかし4月以降はその反動で需要は減退し、それが7~9月になっても回復しないまま失速状態が続いたというのが実態です。スノー商戦も北海道で思っていたほど伸びませんでした。出足は良かったのですが二次需要があまり伸びず、とくに11月の失速感は強かったですね。

 総じて業界全体のタイヤ需要は、1~11月累計でPMR(乗用車用夏用タイヤ)が前年対比若干伸びを示したのですが、下期の7~11月だけみると前年対比マイナスで、通年で伸びたといっても実感があまりもてない状況です。

 ――生産財タイヤの方はいかがでしょうか。

 清水 トラック・バス用タイヤの需要は1~11月では、乗用車用に比べると伸びています。これはアベノミクスで公共投資が活発化した影響もあるかも知れません。しかしながら、これも下期だけみるとわずかに前年割れです。やはり下期に入ってやや陰りが見えております。

 ――2014年は上期に消費増税前の駆け込み需要とその後の反動減があり、下期に入っても回復しない状況でスノー商戦を迎えたわけですね。

 清水 ただ、地域差もあります。例えば首都圏はそれほど悪くないのですが、地方では動きが悪く非常に厳しい状況です。これは景気動向と同じで、都市部と地方の格差がタイヤ需要にも表れているのではないでしょうか。

 ――2014年のタイヤ業界を総括するとどんな課題があると思っていますか。

 清水 市場で何が起きているのかというと、単価が下がってきているんですね。単価が下がる理由としては、新車販売における軽自動車とコンパクトカーのウエートが高くなったことが背景にあります。そうした車に装着するタイヤは比較的径の小さなタイヤですから、結果的に単価の低下につながってしまうわけです。そのために販売数量が若干伸びたくらいでは、販売金額でみると下がってしまうというのが実情です。

 ――今期の業績見通しですが、どのような感触をお持ちですか。

 清水 厳しい1年ではありましたが、想定の範囲にあります。毎年のことなのですが、やはり12月のスタッドレスの販売状況によって変わってきますので、まだ流動的です。

 また、円安が進行していることは、海外工場生産品を一部輸入している当社としては、影響が少なからずあると考えています。ただ、当社としては販売本数だけでなく付加価値品を販売していこうという取り組みを続けてきていますので、それが成果につながってきているなとは感じています。

お客様の要望にしっかり対応

 ――それでは2015年の課題についてお聞きしたいと思います。

 清水 私たちは全国の販売会社の統合を段階的に進め、最終的に2012年1月にブリヂストンタイヤジャパンの1社体制としました。それは将来を考えたときに、少子高齢化が進み、車の保有台数が減少し、トラック輸送も減ってタイヤの需要が減っていく中で、私たちがどう対応していくべきなのかを熟慮してのことでした。

 加えて、私どものお客様もそれぞれの業界で大きく変化し続けています。

 例えばSS業界は全国的に店舗数が減少し、またセルフ店が増えましたが、一方ではカーケア商品とくにタイヤ販売に力を入れている法人様が多くなりました。かつてSS様は1店舗で年間1000本タイヤを売ったらすごいと言われていたのが今では2000本、3000本、5000本、中には7000本売るところも出てきています。タイヤ専業店様と同じくらいの本数を販売しているSS様が出てきている状況です。

 カーディーラー様もタイヤ販売に力を入れて頂いており、当社の推定では、市販用タイヤの2割強を占めていて、オートショップ様に迫る勢いです。

 私どもとしては、そうしたお客様の要望にしっかり対応していかなければいけません。それが2015年の課題にもつながってくるわけです。


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