未来を想像する――モビリティを支える“将来のタイヤ技術”

グッドイヤー コンセプト技術を相次いで発表 エンジニアによる可能性の追求

岸宗弘プロダクトマーケティング部長
岸宗弘プロダクトマーケティング部長

 近年グッドイヤーは、様々な展示会で新しいコンセプトタイヤを発表している。2017年はスイスのジュネーブモーターショーで、球体形の「Eagle 360 Urban」(イーグル・サンロクマル・アーバン)を含む3種の自動運転向けコンセプトタイヤを発表。2018年も同モーターショーで、クリーンな都市型モビリティをサポートする「Oxygene」(オキシジェン)を出展した。

 日本グッドイヤーのマーケティング本部プロダクトマーケティング部長である岸宗弘氏は、これらのコンセプトタイヤについて「『こういうものがあったらいいな』という発想から作られている」と紹介する。

 「ユーザーにアイデアを提案し、エンジニアが可能性を追求していくという目的を持っている。現在のコンセプトタイヤの方向性は、環境への配慮か、将来のモビリティの予測の2つとなっている」

グッドイヤーの「Oxygene」
「Oxygene」

 これら新技術の開発は、基本的に米オハイオ州のアクロンとルクセンブルグのコルマーベルグの技術開発センターで進められており、日本法人は日系自動車メーカーとの窓口となるケースがあるそうだ。

 コンセプトタイヤの方向性の一つとして持続可能性の実現を目指したのが、2018年に発表した「オキシジェン」だ。これは、“空気を浄化するソリューション”がコンセプトで、サイドウォールに苔を生息させたのが特徴。独自のトレッドを通して路面から水分を吸収し、また空気中の二酸化炭素を取り込んで苔の光合成を促すことで酸素を放出する。

 例えば、約250万台の車両が走行するフランスのパリでは、年間約3000トンの酸素を生成し、4000トン以上の二酸化炭素を吸収できるという。

 また、非空気圧構造の「オキシジェン」は3D印刷技術を活用して製造する。その材料に関して岸部長は「リサイクルタイヤのゴムパウダーを使用する。こうした材料でタイヤを作ることは技術的に真新しいのではないか」と、循環型社会に貢献する特徴を話していた。

Eagle-360-Urban
「Eagle 360 Urban」。左がウェットモード、右はドライモード

 2017年の東京モーターショーでも展示された「Eagle 360 Urban」は、自動運転車両やカーシェアリング時代に向けた新たな提案だ。IoT(モノのインターネット)技術を活用して車両やインフラとつながるほか、車両とタイヤが直接連結しない電磁浮遊方式の採用や球体という特性によって、容易なタイヤ交換、優れた機動性を実現する。

 さらに、同社は米ミシガン大学が主導する官民研究機関「Mcity」(エムシティ)の研究に参画し、自動運転車両やコネクテッドカー関連技術の研究開発を促進している。

 エムシティでは、広大な敷地に町が再現されている。この中で、『何m先を人が歩いている』という情報や降雨量などのデータを通して安全な自動運転を実現するため、タイヤや車両、路面上にセンサーを組み込み様々なテストを行っている。

 岸部長は「自動運転を含め、町全体と車とタイヤが連携する社会の実現を第一に目指したい」と展望を示す。その上で、「連携が実現することで交通事故のリスクや、日本で問題となっている高齢者の運転の課題なども解消することができるのではないか。モビリティが発展していく中でタイヤメーカーとして力を発揮したい」と意気込みを語っていた。


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