技術の挑戦で成長を――横浜ゴムのタイヤ消費財戦略

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カテゴリー: タイヤ事業戦略, 特集

技術的なチャンレンジで更なる成長を目指す

 「プレミアムカーへの納入のご報告は、ただ採用されたことをお伝えしたいのではありません。というのも実際の採用に至るには、当然ながらタイヤが良くなければ承認は得られません。

 カーメーカーからは技術的なチャレンジを求められて鍛えられる部分が多いため、ものづくりの面もプレミアムカー戦略の大きな意義となっています。

 またプレミアムカーは、カーメーカーにとってもチャレンジをする車種なので、こちらからの提案も期待されています。このようなカーメーカーとのお付き合いは、我々の成長にとっても必要なものだと思います」

 ――新車用タイヤの開発について。

 「製品の開発では評価技術は非常に重要なのですが、海外のカーメーカーとお付き合いを始めた当初は、我々の想像をしていない次元の要求があり、何をどうしたらいいのか分かりませんでした。

 当時は、欧州に一泊三日で飛んで行き、評価をしている現場を見学させてもらって改良の策を練ったこともあります。そういった時代を経て、評価体制をだんだん整えていきました」

プレミアムカーから承認を受けている「ADVAN Sport V105」

 「BMWとのやり取りでは、当社が設けていなかった試験項目の実施を求められたため、新規投資や代替案を考えました。こういったことも、新しいメーカーとのお付き合いだからこそのチャレンジです。

 また、車両の仕向け先や狙いで、使われる速度やエンジンのパワーが異なるためタイヤに求められる性能が違ってきます。その中で、プレミアムカーを販売しているカーメーカーは、非常に高いレベルのグリップ性能を要求しつつ、転がり抵抗の低減を期待するというのが全体的な傾向となっています。

 BMW『X3』に納入したランフラットタイヤでも、『運動性能は高めて、転がり抵抗は大きく低減してほしい』という要望がありました。

 一般にランフラット構造のタイヤは分厚く重くなるため、転がり抵抗を小さくすることは大きな課題となります。ですが、ランフラットタイヤを高品質に作り上げるために技術を粛々と磨いてきたことが、今回のBMWの承認活動で実を結びました。

 現在ハイパフォーマンス系のタイヤを製造する生産設備は、構造などが20年ほど前と大きく違っていますし、ゴムもこの10年で圧倒的に変わりました。そうして育ててきた当社の技術や、国内および海外カーメーカーとのお付き合いの中で培ってきたノウハウが上手く作用しました」

 「新車装着タイヤの評価は、カーメーカーの指定するコースのほか、我々がドイツに設置している『ヨコハマ・テストセンター・ニュルブルクリンク』も活用しました。

 さらに、冬タイヤ評価向けの『ヨコハマ・テストセンター・オブ・スウェーデン』や、当社が優先使用契約を締結しているスペインのテストコースなどもあり、タイヤ評価の充実を図っています。

 また、北米市場向けには米ノースカロライナ州に研究開発センターを構えており、2016年9月から本格的に開発を進める体制ができています」

 ――これからの生産体制について。

 「カーメーカーに納入する『ADVAN Sport V105』は基本的に日本で作っていますが、それは決して日本でしか生産しないという意味ではありません。材料面や設備面で日本でなければ作れないサイズはあるのですが、各国でも設備を揃えています。

 なるべく工場がある地域からその地域に納めさせて頂く“地産地消”を進めたいと考えています。 実際に、ロシアのフォルクスワーゲングループに納入している『BluEarth-A』は、ロシア工場で生産しています。

 ADVANについても、市場からの要求と我々の体制が合致するような地域では生産を行いたい。そうすることで、工場も成長できると考えています」


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