震災から8カ月を振り返る 住友ゴム白河工場

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 「本当に辛くて長い道のりだったが、それを支えてくれたのはステークホルダーに対する従業員の想いだったのでないか。東北復興のためという想いを分かち合えたこの8カ月だった」

 住友ゴム工業白河工場(福島県)の藤本紀文工場長は東日本大震災から現在までの8カ月を振り返ってこう話す。

 同工場は住友ゴムグループの主力工場で、新ゴム消費量は1万350トン/月と国内有数の生産能力を誇る。生産品目は乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤをはじめ建設車両用やラリー用まで多岐にわたる。

 震災直後、工場は一時操業停止を余儀なくされたが、1カ月半後の4月27日には震災前の水準まで生産を回復させた。「BCP(事業継続計画)や日頃の防災訓練などが実を結んだ」という。その後、生産性向上のための改善努力を行い、現在は震災前を上回る生産レベルを達成している。

 震災から復旧が進むにつれ、特に東北地方では産業車両用タイヤが不足している。また新車生産が急回復しているが、「OE向けは可能な限り対応し、市販用や輸出用を調整する。ただ、復興需要に対応するため、国内で作れるものを海外に移すなど生産シフトを行い対応する」としている。

 震災を乗り越えた今、「できるだけ多くのタイヤを届けたいという想いを全従業員が共有している」――工場一丸となり市場への供給責任を果たしていく方針だ。


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