マザー拠点として重要性増す 東洋ゴム タイヤ技術センター

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カテゴリー: レポート, 現地
タイヤ騒音試験機
タイヤ騒音試験機

 東洋ゴム工業は7月中旬、兵庫県伊丹市にあるタイヤ技術センターの一部を報道陣に公開した。タイヤ技術センターは1966年に、それまで他工場に分散していた開発機能を統合して開設した。それ以来、同社のタイヤの技術力向上のベースとしての役割を担っている。

 今回は代表的な試験設備として、氷盤試験機やタイヤ騒音試験機による性能評価の様子を公開した。スタッドレスタイヤのアイス性能を確認するための氷盤試験機は、氷を張った直径3mのドラムを回転させることで、タイヤ制動時の摩擦係数を計測する。室内の温度はマイナス20~0℃に設定できる。試作タイヤまで進める前に、ゴムのサンプル段階で試験を行うこともあるという。

氷盤試験機
氷盤試験機

 タイヤのノイズを測定するタイヤ騒音試験は無響音室で行われる。部屋の壁面は全て吸音材で覆われており、扉を閉め切ると内部は完全な無音状態になる。地下にはドラムが設置してあり、その一部が路面の代わりとなる。室内は広く設計しているため、車両を搬入してタイヤを装着した状態で計測することも可能だ。

 近年は新興国メーカーを含めて各社が開発力の底上げを図っており、競争は激しさを増している。こうした中、同社は年内に北米のタイヤ製造子会社内に設置している研究開発部門の商品開発機能を強化する計画で、また2020年までに欧州にもR&D拠点を新設する方針だ。

 一方で今年5月には本社を技術センターの隣接地に移転した。本社機能と開発部門の連携を図りやすくすることで、商品開発の効率化に繋げる考えだ。開発のグローバル化が進む中、マザー拠点としてタイヤ技術センターが担う役割は今後一層重要になっていく。


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