心の通うつながりを タイヤガーデン豊中

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カテゴリー: ディーラー, レポート

 タイヤガーデン豊中の住所は豊中市東豊中町6丁目1番5号。府道43号・豊中亀岡線と平行して走る支線沿いにある。
代表の入江優さんによると、このエリアは古くからの高級住宅街として知られるところ。また、大阪市内へのベッドタウンとしてニュータウンが開発されており、大規模な集合住宅も多く建ち並ぶ。そのため交通インフラが整備され市街地化されており、商業施設も充実している。

タイヤガーデン豊中
タイヤガーデン豊中

 その同店の、そもそもの成り立ちを訊ねたところ、入江さんは「うちのクロニクルかぁ…」と言いつつ、店の奥で探し物を始めた。数分後、手にされていたのが古い冊子。「大阪ハマタイヤセールス」という文字が表紙に躍っている。そのページを繰り掲載された写真などを示しながら、入江さんは同店のクロニクル、すなわち「入江家年代記」を次のように話してくれた。

 戦中・戦後の頃、祖父がタクシー業を営んでおり、ゴム製品の統制令があったときに、土地で商売をしていたタイヤ屋さんの利権を持っていたらしい。統制令によって祖父を介さないとタイヤを買うことができない、そういう時代だったと聞いています。その流れをくんで父(=入江秀雄氏)が大学を卒業後、1958年に大阪・吹田で大阪ハマタイヤセールスを起業。ヨコハマタイヤのディーラーとして、自動車タイヤの卸販売事業を開始しました。当店の現在地であるここは、1971年に大阪ハマタイヤセールスの豊中営業所として開設したものです。

 1987年に父が急逝しました。わたくしは3人兄弟の末っ子で、その当時は学生でした。ふたりの兄はそれぞれ自動車、精密機器のメーカーに勤めておりましたから、急に会社を辞めてタイヤ販売会社の代表の跡を継ぐことはできないと。そういうことから、入江家としてはその時点で1度、タイヤの商売から離れることとなりました。

 父が他界してから10年後のこと。大阪ハマタイヤセールス時代に父の片腕としてご活躍いただいた方々から「祖父の代から続けてきたタイヤの商いの火をこのまま消してしまうのはあまりにももったいないのではないか」、そういうご指摘を受けました。その当時、わたくしは不動産会社に勤めていたのですが、いろいろと考え模索した結果、「タイヤの商売をやってみよう」と決意しました。

 そこで美沢タイヤ(大阪府茨木市、木村勝彦社長)さんのところで3年間、勉強させてもらいました。現在地は当時、タイヤ販売会社の営業所として使われていたのですが、たまたまここを出て他所へ移るというタイミングだったのでタイヤショップに改装し、タイヤガーデン豊中としてオープンしたというわけです――。

 1997年、タイヤガーデンの全国1号店としてオープンしたのがここ、タイヤガーデン豊中だった。つまり、ことしはタイヤガーデン豊中の創業20周年であり、ヨコハマタイヤが展開するタイヤガーデンの創設20周年と、ともに大きな節目の年だったのだ。

タイヤガーデン豊中
タイヤガーデン豊中の入江社長(中央)

 「いろいろとありましたよ。それでもこうやって商売を始められたのも仲間のおかげ、お客様のおかげ。ここまで続けてこられたのも縁に結ばれてのこと」と、入江さんは開店20周年を迎えたことを感慨深げに語る。

 大阪ハマタイヤサービス時代の営業所だったところはほとんどがコンビニエンスストアに変わったという。現在地だけが巡り合わせによってタイヤ商売の火を今に伝えているのだ。

 「高級住宅街という土地柄、高性能輸入車や高級車ユーザーのお客様が多いのが特徴だと言えます」、入江さんはエリア特性をこのように紹介する。「店は広くないし、駐車場もないのですが、それでもお客様に来ていただける。それはカーディーラーさんや大手量販店さんで手に余るような仕事であっても、当店のスタッフは皆、そつなくこなすことができるからでしょうかね」

 それは入江さんをはじめ同店4人のスタッフ全員が専門知識と技術スキルの向上を図るため、日頃から自己研鑽を惜しまないことがバックボーンにある。その知識レベル、技術スキルの高さが口コミによって広まり、新規顧客の開拓につながっているようだ。「20年、まじめにこつこつとやってきただけなのですが、お客様がお客様を呼ぶと言うのでしょうか。派手なことはやらない割に、ご紹介をいただけますね」

タイヤガーデン豊中
タイヤガーデン豊中

 最近はウェブサイトを活用し、鮮度の良い情報をアップするように心掛けているそうだ。しかし、入江さんは「商売の基本はフェイス・トゥ・フェイスではありませんか。心の通わない商売の仕方はしたくないですね。われわれは物を買っていただくのではなく、人を買っていただいているのです。『あなたから買いたい』『あなたが良いと言うのなら、それにします』、そういうお客様との信頼関係を何よりも大切にしたい」と言う。

 20年前に現在の姿を想像されていたかと問うと、入江さんは少し考えてから「現場に立っていない姿を思い浮かべてみたのですが、それでは“らしく”ありませんね。こうしてツナギを着て作業しているほうが自分らしい」という答えだ。

 先日、4ホイールアライメントテスターを新規に導入したばかり。新たな設備投資を行うことで、商売のさらなるステップアップを見据えている。タイヤガーデン豊中は次の節目に向け着実に一歩を踏み出した。


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