【住友ゴム】タイヤテクニカルセンターを公開

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カテゴリー: レポート, 現地

目指すべき性能を実現するために

タイヤテクニカルセンター外観
タイヤテクニカルセンター

 住友ゴム工業は3月23日、同社が3月に発売した「LE MANS V」(ル・マン ファイブ)の試走会に併せ、兵庫県神戸市の本社に併設するタイヤテクニカルセンターの一部を報道陣に公開した。

 同社は今年1月に北米ニューヨーク州で北米テクニカルセンターを本格稼働させ、8月には同社にとって欧州初の開発拠点となるテクニカルセンターを独ハナウ市に開設する予定。開発体制のグローバル化が進む中、国内のTTCは新技術や基礎的な研究を担うマザー拠点。今回公開された実験施設もタイヤの基礎技術を支える機能が中心となった。

 「LE MANS V」の静粛性と乗り心地の向上を担ったのは「6分力試験機」。回転するドラムの上にタイヤを載せ、軸に掛かる力を測定することでロードノイズと乗り心地を測定する。

突起乗り越し試験機
突起乗り越し試験機

 突起を乗り越した際の衝撃やノイズの測定は、ドラム上に金属の棒を貼り付けて行う。実際の開発では幅20mm厚さ10mm金属棒が使用された。

 また、路面の舗装を再現した樹脂製のボードを貼り付けることで、車体に装着する前段階で実際の路面とほぼ同等のロードノイズが取得可能だ。なお路面は岡山のテストコースから直接型取りされており、実車試験と条件を統一している。

 「LE MANS V」の大きな特徴である静粛性向上に寄与した「無響室」は、特殊形状の吸音素材が床以外の全てを覆っており、タイヤが発するノイズを計測する設備。

無響室
無響室

 室内に設置したドラムにタイヤを押し付けながら回転させ、発生する各種の音を測定。開発段階のタイヤのノイズを計測することで静粛性の向上を担う。また開発初期のパターン設計では、手掘りのタイヤを使用して実際のノイズを計測し、パターンデザインの進化を支えている。

 乗り心地や振動の試験は、路面から伝わる振動を再現しセンサーで測定する「三軸加振機」でも行われた。うねりや凹凸などの路面状態が車体にどのような影響を与えているか測定し、乗り心地を数値で評価する。

転がり抵抗試験機
転がり抵抗試験機

 低燃費タイヤには欠かせないデータを正確に取得する「転がり抵抗測定機」も公開した。ここでは厳密な温度管理が行われ、室温25度に3時間以上保管した後、1時間のアイドリングを行い、約1分間の計測で得られる数値が低燃費性能の向上に大きく寄与している。

 同社がコア技術の研究と開発の場として位置付けるタイヤテクニカルセンターは、公開された部分だけでも高い技術力と精密な計測による緻密な開発力を感じさせるものだった。同センターは開設以来適宜新しい施設の追加を行っており、今後も開発の中心を担っていく。


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